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Glee Season 5 第7話〜第9話

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Glee Season 5 第7話〜第9話の曲リストです。

第7話 Puppet Master



「Into the Groove」 by Madonna

できればレイチェルリアミシェルとサンタナナヤリベラのリードで聴きたかった曲。

「You're My Best Friend」 by Queen

「Nasty / Rhythm Nation」 by Janet Jackson

これは非常にうまくできたマッシュアップ。と言ってもジャネットの曲が似たようなのが多いからかな?

「Cheek to Cheek」 by Fred Astire

「The Fox」 by Ylvis 

面白い曲ですねー。色んなキツネの鳴き声が頭を離れません。

この回はブレインダレンクリスがみんなのパペットを作るんですが。超キモいんですけどー!って言ってたサンタナに笑った。あれ、キャストたちは後からもらえたのかなぁ。うらやまし〜。
 

第8話 Previously Unaired Christmas



「Here Comes Santa Claus (Down Santa Claus Lane)」 by Gene Autry

「Rockin' Around the Christmas Tree」 by Brenda Lee

「Mary's Little Boy Child」 by Boney M.

「The Chipmunk Song (Chistmas Don't Be Late)」 by Alvin and the Chipmunks

「Love Child」 by The Supremes

これ大丈夫?って思うようなキリスト教徒の人にとっては罰当たりな感じのパフォーマンスでしたが、ユニークアレックスニューウェルが面白かったです。

「Away in a Manger」 Traditional


第9話 Frenemies

 

「Whenever I Call You Friend」 by Kenny Logins & Stevie Nicks

「Brave」 by Sara Bareilles

サビのところがケイティペリーの「Roar」に似てる気がします。 

「My Lovin' (You're Never Gonna Get It)」 by En Vogue

懐かしいなぁ。アーティケヴィンマクヘイルの声がとても合っています。 

「Don't Rain on My Parade」 by the Cast of "Funny Girl"

サンタナが歌っちゃいましたねー。ナヤとしてはリアと同じ曲で張り合わないといけないのって辛くなかったかなぁ。もちろん、ナヤも歌唱力はありますが、リアはずば抜けてるからなぁ。 

「I Believe in a Thing Called Love」 by The Darkness

「Every Breath You Take」 by The Police

ストーカーの歌とよく言われるこの曲ですが、非常にうまい使い方がされてましたね。フレネミーのラヴ&ヘイト的な雰囲気になぜかぴったりでした。 

「Breakaway」 by Kelly Clarkson

レイチェルとサンタナ、どうなっちゃうんでしょー?来週にはあっけらかんと仲直りかな? 


ある過去の行方

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「別離」のアスガーファルハディ監督の作品ということで、見に行って来ました。それが理由で見に行ったと言いつつ、正直「別離」もよくは分からなかったのですけどね。でも作品全体の雰囲気は好きだったので。今回は切り口は似ているけど違うテーマって感じなのかなぁと想像して行きました。

4年前に別れた妻マリーベレニスベジョから正式な離婚手続きを依頼され、イランからパリにやってくるアーマドアリモサファ。長女リュシーポリーヌビュルレと次女(どちらもマリーのアーマドよりさらに前の夫の子)はアーマドを歓迎してくれるが、家には知らない小さな男の子も住んでいて、マリーはいま子連れの男性サミールタハールラヒムと半同棲状態で、近く再婚するつもりだと言う。

長女のリュシーは思春期を迎え、マリーには反抗的。マリーが子連れの男性と再婚することに抵抗があるらしい。リュシーはアーマドにはなついているので、マリーはリュシーの話し相手になってくれるようアーマドに頼む。

リュシーが言うには、サミールには自殺未遂をして植物状態の奥さんがいて、その奥さんが自殺を図ったのはマリーとの不倫が原因だということだった。リュシーはさらなる秘密を隠していて、その事実に苦しんでマリーに反抗的な態度を取っていたことが分かるのだが、、、

作品の雰囲気は本当に「別離」によく似ています。なんか登場人物同士がよくケンカするし。あと、なんでそういう行動を取るの?ってよく分からないところがあるのも似ていたかな。

サミールの奥さんが自殺した理由ってのが、リュシーがマリーとサミールのメールのやりとりを奥さんに転送したことだとリュシーは思っていて、それをマリーに告白したときにマリーがリュシーに怒り狂うシーンがあるんだけど、マリーってどこまで自分勝手なんだろうと腹が立った。確かにリュシーのしたことは良いことではないけど、自分のしたことを棚に上げてばらしたリュシーに怒るってどういう神経かね。リュシーなんて多感な15歳なんだから、親の不倫に嫌悪感を覚えて当たり前だし、相手の奥さんにばらすという行動を取っても全然おかしくない。しかも、それで奥さんが自殺しちゃってものすごい罪悪感に苛まれているというのに、マリーはそんなリュシーの気持ちを全然考えずにヒステリー起こして。なんなんだ、この母親。自分のことしか考えてないね。

この家族のためにアーマドが一人奮闘してる感じなんだけど、それもこれもリュシーを大切に思っているからだよね。自分の子じゃないけど、昔一緒に暮らしてて可愛がっていたみたいだし。でも、マリーが言うには、アーマドはいい加減な人間で4年前はこの家族を捨ててイランに帰っちゃったっぽい。でも、いまのアーマドは子どもたちにも優しくて誠実な人物っぽく見えたから、昔のアーマドがどんな人だったのかさっぱり分からなかった。物語のかなり後半で「僕がどうしてイランに帰ったか、言おうか?」とアーマドが言って、マリーが「そんなこといまさらどうでもいいわ」って言っちゃって、結局聞けないままだったんだけど、え?いやいやいや、あんたはどうでも良くてもワタクシはめっちゃ気になるんですけどーーーーっ!!!って思いました。なんでやったんやろ?監督がイラン人だから、イランうんぬんの話も出てきてたけど、この物語にイラン社会のことって関係あったんかなぁ。アーマドが帰った理由に何か関係していたのか?

結局リュシーの告白によって、マリーとサミールの関係もぎくしゃくしちゃうんだけどさ、なんかマリーとサミールの初めのツーショットシーンの時から特にラブラブっていう雰囲気はなくって、なんか殺伐とした感じだったから、この事実によって壊れた2人っていう感じが薄かったです。その辺もよく分からんかった。この不倫の2人が壊れようがサミールが奥さんの元へ戻って行こうがどうでもいいけどさー、せめてリュシーには、リュシーが思っている理由で奥さんが自殺したんじゃないってことは伝えてあげて欲しいな。あんな母親やわ、アーマドはイランにまた帰っちゃうわ、罪悪感抱えてるわ、でリュシーが可哀想過ぎるもの。「別離」のときも実は10歳の娘がキーポイントだったりして、監督は家族の中の子どもの意味するものとかっていうことに重要性を感じているのかなと思ったりしました。

なんかどうにも自己中女の話ってとこから離れられなくて、ベレニスベジョがちょっと気の毒な気も。リュシーを演じたポリーヌビュルレがキレイな顔立ちでこれから楽しみです。

チョコレートドーナツ

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1979年カリフォルニア。歌手を目指しているドラァグクイーンのルディアランカミングは毎日アパートの隣の部屋から聞こえてくる大音量の音楽に悩まされていた。ある日仕事から帰ると管理人がその隣の部屋に入っていて、家庭局の人間がその家の子どもであるダウン症の少年マルコアイザックレイヴァを連れ出すところだった。その子の母親ジェイミーアンオールマンは麻薬使用で捕まったと言う。ルディはなんとか止めようとするがもちろんできるわけはなくマルコは施設に連れて行かれてしまう。

その夜、仕事の帰り道ルディは施設を抜け出しとぼとぼと町を歩くマルコを発見する。自分のアパートへ連れ帰り、最近バーで知り合った弁護士のポールギャレットディハラントに助言を求める。ポールは始めマルコが施設に送られるのは仕方のないことと言っていたが、ルディの「麻薬中毒の母親の元に生まれたことも、ダウン症に生まれたことも全部マルコのせいじゃない。それなのに、どうしてマルコが辛い思いをしなくちゃいけないの?」という言葉に打たれ、弁護士として何とか方法を考える。その方法とは、刑務所に収監中のマルコの母親から出所までの監督権を譲り受けるというもので、面会に行き正式に手続きを済ませた。

ポールは裁判所に納得させるためには、きちんとした住環境が必要だとルディとマルコを自分の家に住むように誘う。同棲の誘いに有頂天になるルディ。表向きは“いとこ”と偽ってではあったが、3人の幸せな生活が始まった。マルコが初めて与えられたキレイな自分の部屋に涙するシーンが印象的。

母親からほぼネグレクト状態で育てられてきたマルコのために2人は医者に診せ、メガネを買ってやり、特別学級がある学校に入学させた。食事を作り、宿題を手伝い、祝日を祝い、寝る前にはマルコの大好きなハッピーエンドのお話を聞かせ、時々は健康には悪いけどマルコの大好きなチョコレートドーナツを一緒に食べた。マルコの成長は目覚ましく、2人からたっぷり愛情を受けとても幸せな1年が過ぎた。

ルディは目指していた本物の歌手になるべく、デモテープを送り、週に数回ではあるがバーで歌うようにもなっていた。そんな幸せな日々は永遠に続くかのように思えたのだが、、、

2人がゲイのカップルであるということがバレ、ポールは仕事をクビになり、マルコは家庭局に連れて行かれてしまう。絶望の中で2人はマルコを取り返すべく裁判に訴えることにした。ポールは自分が同性愛者であることをカミングアウトせずに人生を過ごしてきていたが、愛するマルコとルディのため勇気を出してクローゼットから出る決心をする。

ここからが見ているのがとても辛い。学校の先生ケリーウィリアムズや3人の家庭生活の視察に来た家庭局の職員は、2人は最高の両親であり、マルコは2人の元で暮らすべきだと証言してくれるのだが、ゲイに偏見のある、というか偏見しかない検察官のランバートグレッグヘンリーは重箱の隅をつつくような底意地の悪い質問で、3人を引き裂くことに全力を注いでいた。

ハロウィーンにフランケンシュタインの花嫁に扮したルディのことを、マルコに女装を見せた、だの、マルコの前でキスしたことがあるか、だの、開店準備の仕事場に連れて行っただけでゲイバーに連れて行ったことがある、だの、マルコのお気に入りのおもちゃは女の子の人形だ、だの、それはルディに出会う前からマルコがずっと大切にしていたものなのに、マルコに悪影響を与えている、とか言って、本当にムカつくおっさんだった。これが当時の世間の大方の見方だったのかもしれないけど、ルディのくやしさを考えると本当に腹が立った。

ルディにはマルコが受けてきたであろう理不尽な差別や彼の孤独がとてもよく分かったのだろう。だから、始めから何の抵抗もなくマルコを引き受ける気持ちになったのだと思う。検察官から放たれる攻撃的な言葉や侮辱も、自分に向けられるものならルディなら我慢できただろうし、普段ならひねりの効いた返しもできたかもしれない。でも、マルコとの生活がかかった裁判で、何をどう言い返そうが理解しようともしない検察官を前にルディがどんなに悔しい気持ちでいたか。ルディが証言台に立つシーンは涙が止まりませんでした。

興味深いのは学校の先生と家庭局の職員の実際に3人が家族として過ごしている姿を目にした人たちは「3人が一緒に暮らすべき」という結論を出していて、実際には何も知らない、ただゲイのカップルが他人のダウン症の子どもを育てようとしているという事実だけを見ている検察官や裁判官が3人を引き離そうとしているということなんですよね。親としての2人を実際にちゃんと見た人なら彼らがマルコにとって最高の親だと分かるのに。

それでも執拗に世間の枠から外れる3人を引き離そうとする検察側は、マルコの母親の刑期を短くしてまで出所させ母親の監督権の復権を申請させる。当然、実の母親が監督権の復権を求めてくればポールとルディに勝ち目はなかった。マルコをネグレクトし、アパートに男を引き込んでドラッグ三昧の母親にダウン症の子を引き渡す検察。ゲイのカップルの要望を通させないためなら、一人の子どもの福祉など彼らにはどうでもいいことだった。これは法律の問題じゃない。本当にただゲイのカップルが許せないだけの行動としか思えない。むしろ、そんな取引で母親を出所させた検察のほうが法律を捻じ曲げていると言ってもいいだろう。

法律の下結婚した“夫婦”でもなく、血のつながった家族でもない。でもそこには間違いなく愛があって、その愛はそんじょそこらの誰にも負けないものだった。でもそれを許さない人たちがいる。彼らの何を邪魔したわけでもない、ただ世界の端っこにひっそりと幸せに暮らしたいだけの人たちのことを絶対に許せない人たちが存在している。同性愛だけではない。ダウン症だけでもない。様々なマイノリティについて。自分の考える枠からはみ出す人たちを一切許さない、その狭量さにどう立ち向かえばいいのだろう。

このブログを書くために調べるまで知らなかったのですが、このお話実話がベースだそうです。どこまでが実話なんだろう?マルコがルディとポールを求めて彷徨い歩き死んでしまうラストまで実話なのかなぁ。だとしたら悲し過ぎる。マルコは母親のアパートに連れて行かれるとき「僕の家じゃない。僕の家じゃない」ってずっと言っていました。誰一人としてその言葉に耳を傾けてやる大人はいなかった。ハッピーエンディングが大好きだったマルコ。彼にこそハッピーエンディングが訪れてほしかったのに。

最後にルディが歌う「I Shall Be Released」に心を揺さぶられました。単館上映ですが、たくさんの方にぜひご覧になってほしい作品です。

レイルウェイ〜運命の旅路

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以前から楽しみにしていた作品でした。賞レースにもかかっていたし、コリンファースと真田広之の共演ということで。

1980年代、鉄道愛好家のエリックローマクス(ファース)はパトリシアニコールキッドマンと電車の中で出会い、恋に落ち結婚する。エリックは大人しく、誠実な人柄だったが、夜中になると突然大きな声を挙げて暴れだし、パトリシアを困惑させる。

まだPTSDなんていう言葉が一般的でなかった当時、エリックは明らかに第二次世界大戦に従事したころのことでトラウマに悩まされていたが、どうしてもパトリシアにはその時のことを話してはくれなかった。エリックの悩みを知ろうと、パトリシアは退役軍人仲間のフィンレイステランスカルスガルドに話を聞きに行く。フィンレイとエリックは当時日本軍の捕虜となり、タイとビルマを結ぶ鉄道建設のために強制労働させられ、エリックが日本の憲兵隊から拷問を受けたことを語る。

そんな時、フィンレイはエリックを拷問した永瀬(真田)という憲兵隊が当時の場所でガイドをしているという新聞記事を発見し、「復讐の時が来た」とエリックに記事を渡す。現地に行く勇気はエリックにはないだろうと思っていたフィンレイは自殺をしてしまう。フィンレイもまた当時のトラウマに苦しみながら生きていて、最後の望みをエリックに賭けたのだった。

フィンレイの自殺を受けて現地へ向かう決心をしたエリック。一日の現地ガイドを終えて、当時の憲兵隊の基地がそのまま残されている歴史博物館を閉めるところの永瀬のもとへとエリックは近づく。「本日は終了ですよ」そう言った永瀬だったが、エリックの顔を見て凍りつく。「ミスターローマクス…」永瀬はエリックのことを覚えていた。

捕虜にならず自害することが軍人としての誇りであるにも関わらず、日本軍の捕虜となった英国人たちを侮辱していた永瀬たちが、戦争に負けたのになぜ生きている?その質問が永瀬に突き刺さる。永瀬は自害どころか、ただの通訳だったと主張することで戦犯としての罪も逃れて生き延びていた。

復讐に来たエリックと贖罪に生きてきた永瀬。この2人の対峙。コリンファースと真田広之という素晴らしい役者を使っているにもかかわらず、この一連のやりとりの脚本と演出がイマイチだったように思えた。永瀬の贖罪は本物なのか、エリックの復讐を止めるだけの納得できる要素があるか、エリックがただ人を傷つけるのがイヤで止めただけなのか、この辺りの追及が物足りなかった。無抵抗にエリックに自分を差し出す永瀬を見ただけで、ただエリックが納得したと考えるべきなのかな。この一連のシーンの作り込みに物足りなさを感じた。

前半のパトリシアとの恋愛話に時間を割くならこちらにもっと時間を割いて欲しかった。前半パトリシアとのことに時間が割かれていたので、戦争のトラウマを乗り越えた夫婦の絆を描きたいのかと思ってしまったし。

実際にはエリックと永瀬が会う前に1年以上文通を続けていたという話がこの映画の公式サイトに書いてありました。どうせなら、その話も入れてくれたほうが良かったんじゃないかなーと思ったりします。それがあれば2人が「親友」と呼ぶ間柄になるまでに唐突感がなかったんじゃないかな。

題材が題材だけのもう少し丁寧に描いて欲しかったという気がします。映画ファン的には単純に、このテーマとこのキャストでこのデキではもったいない、という気も。悪くはないけど、もっと良い作品になれたんじゃないかなぁと。

オマケニコールキッドマンの顔にシワひとつなくて、1980年代のイギリスの40代の女性には到底見えません。美しくあることも大切かもしれませんが、役者なのにリアリティがなくなっちゃダメですね。

ブルージャスミン

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大好きなケイトブランシェットがアカデミー賞主演女優賞他、たくさんの主演女優賞を受賞した作品なので、ご祝儀鑑賞です。まぁウディアレン監督だしぃ、だいたい内容というか作品の雰囲気もオチらしいオチがないであろうことも折り込み済みで見に行きました。

ジャスミン(ブランシェット)はニューヨークでお金持ちの夫ハルアレックボールドウィンと贅沢な暮らしをしていたが、ハルが詐欺罪で逮捕され自殺。生活は一転自らも借金に追われてしまう。サンフランシスコに住む妹ジンジャーサリーホーキンスの元に身を寄せることにするジャスミンだったが、羽振りの良かったころのころが忘れられずお金がないのに、ヴィトンのスーツケース持ってファーストクラスに乗ってやってきた。

ハルと結婚するために大学を中退したジャスミンは、きちんと働いたことがなかったが、生活のために仕方なくジンジャーの友達の紹介で歯医者の受付を始める。それと同時にネットで得意なインテリアコーディネイトの資格を取ろうと考えるが、パソコンが苦手なジャスミンはその前にまずパソコン教室に通い始める。

しかし、やはり自分がもう一度贅沢な世界へ返り咲くにはそれ相応の男性を見つけるのが近道と、友達のパーティに出かけると、お金持ちで外交官のドワイトピーターサースガードと出会いいい感じになる。ドワイトに良い印象を与えたい一心のジャスミンは、自分はインテリアコーディネイターで亡くなった元夫は外科医だったと大嘘を吐くのだが、、、

このジャスミンという女性、まずこのジャスミンっていう名前からして嘘なのよねー。ジャネットって名前だったらしいけど、自分で変えたんだって。ジャネットなんて普通でダサいからでしょうね。まぁ、そんな嘘並べた人生でも夫の事業が順調なうちは良かったんでしょうけどねぇ。お金持ちの生活の中ではうまくやっていたみたいだし。あーいうお金持ちの世界にもそれはそれで大変なことがありそうだけど、そのあたりはそつなくこなしてたっぽい。夫の連れ子のことも割と大事にしていたみたいだし、決して悪い人ではないと思うんだけどなぁ。とは言え、夫の事業がちょっと怪しいと思っても自分の地位と贅沢な生活を守るために目はつぶってきてたわけだけれども。

いまはすっかり頭がピーポー状態で、一人で突然空中に向かって話し始めたりなんかしちゃってねぇ、、、なんだか憐れ。それを演じるケイトブランシェットが絶妙なんですよねー。ミシェルファイファーやジュリアンムーア辺りがやっても良かったと思うけど、ちょっとやさぐれ感が出過ぎるかなという気がする。その点、ケイトはお金持ちの雰囲気を保ちつつ、頭がイカレちゃった主婦を完璧に演じてる。あの目の座り具合なんてほんとすごいもんね。確かに主演女優賞に納得。なんかこう、熱血演技ではウディの作品の雰囲気を壊しちゃうと思うし、その辺のバランス感覚が非常に優れた演技だったと思います。

ジャスミンとはまったく相容れるところのない妹(それもそのはず、どちらも養子で血は繋がっていない)ジンジャーやその周辺の人たち、元夫のオーギーアンドリューダイスクレイや彼氏のチリボビーカナヴェイルが悪い人ではないけど決定的に下品なのは、やはりウディが西海岸の人間が嫌いだからか?と穿った見方もしつつ…

ウディの話だしオチはないだろうと書いたけど、実際はクライマックスに大きなオチがあった。実はジャスミンの夫が捕まったのは夫の浮気に腹を立てたジャスミンが仕返しに夫の会社の不正をFBIにタレこんだからだった!多分ジャスミン自身もここまで大きなことになるとは思っていなかったんでしょうけどねぇ…このオチは結構笑えた。シニカル過ぎる笑いだけどね。あ、知り合ったお金持ちのドワイトにももちろん嘘がばれちゃって、どこまでも憐れな女ジャスミン。最後はベンチで一人またブツブツとお話していましたとさ。

プリズナーズ

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予告編を見て面白そうだと思いネットでの評判も上々のようだったので見に行きました。「灼熱の魂」のドゥニヴィルヌーヴ監督ということもあり、濃密なドラマを期待していました。

ですが、、、んー、どうなのかなぁ。ワタクシは消化不良に感じました。

感謝祭の日、近所の友人家族同士でお祝いをしていたところ、ドーヴァー家とパーチ家のそれぞれの末娘たちがパーチ家からドーヴァー家に一緒に戻ったまま忽然と姿を消した。その前に不審なキャンピングカーが近所に停まっており、すぐにその車の持ち主アレックスジョーンズポールダノが警察に拘束されるが、彼は10歳ほどの知能しかなく、物的証拠は何も出ずすぐに釈放されてしまう。

アレックスが釈放される警察署の前でアレックスに掴みかかったドーヴァー家の父親ケラーヒュージャックマンにアレックスは「僕が一緒にいたときには泣かなかったよ」と聞かされ、アレックスが犯人だと確信したケラーは、こっそりアレックスを拉致し今は無人の実家に監禁し、拷問にかけ娘たちの居場所を聞き出そうとしていた。パーチ家の父フランクリンテレンスハワードも監禁場所に連れて行ったが、フランクリンはケラーのやり方に賛成はできなかったが、ケラーを警察に突き出すこともできなかった。

このケラーという人物像は、最初の数分で見事に説明されていると思う。息子に鹿撃ちを教え、信心深く、常に非常事態に備えよと息子に説くアメリカのタフな父親。こういう人物は頼もしい反面ちょっとひとりよがり的なところもあるのだろう。そんな父親が娘を誘拐され、あのような行動に出るのはそんなに不自然なことではないと感じるし、物語の運びとしてこれがどのような帰結を迎えるのか導入部としては強烈に観客を惹きつける。

が、しかしだ、、、

一方の警察の捜査っていうのがなぁ、、、描かれ方があまりにも生ぬるい。担当のロキ刑事ジェイクギレンホールは非常に優秀な刑事という設定なのだけど、具体的な捜査としてはネットでポチポチ何かを調べているシーンしかほとんど映らない。少女たちが失踪した時点で誘拐かどうかはまだ分からないけど、少女の失踪事件なんて初動捜査がものすごく重要になるというのは常識だと思うのだけど、森林を捜索する以外何かしている様子が映されない。逆探知の用意とかしないの?しかも、捜査に当たっているのが制服警官以外ではロキだけっぽく見えてそれも不自然。最低でもロキにはパートナーがいると思うし、幼い少女の失踪ならチームが組まれないかな?アレックスの車から何一つ証拠が出なかったのもおかしいし、アレックスの家の捜索も非常に手ぬるい感じがしたなぁ。

それで、何?あの牧師に連続殺人を告白に来て、牧師に殺された男?あれが伏線ってのもなぁ。連続殺人を告白して殺された犯人ならもっと詳しく遺体を調べて身元とか割り出さない?すぐに例の犯人の夫だと分かるかどうかは別としてもいまいちその辺の突っ込みも甘いような…

警察の動きと犯人の動きとかそういう刑事ドラマ的な楽しみではなく、少女を誘拐された(と思っている)父親の行動を追うドラマだとして見るべきということかな。ヒュージャックマンの演技はすごかったと思うけど。アレックス拉致→拷問、拷問、拷問の一本やりでいまいちどの方向にも進展しない。アレックスが「僕はアレックスじゃない」とか言ってたけど、声が小さくてケラーには届かず…

ケラーの信心深さというのが彼の心情にリンクして語られています。犯人のほうの信心についても語られるので宗教的な一面を持った物語だとは思うのですが、信じる方も信じない方もむごいことをしているのがなんか皮肉だったな。それが物語の核?途中で捕まる犯人モドキと犯人の共通点に「ヘビ」があったけど、あれもキリスト教における「ヘビ」が象徴するものと関連があるのかな。よく分からなかったけど。

シーンシーンがブツ切りされるような編集方法は「灼熱の魂」でもそうだったな。この監督の特徴なのか。

最初にも書いたようにネットでの評判は良いので、ワタクシが監督の意図を拾いきれなかっただけかもしれません。

カンフーパンダ

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ケーブルテレビで見ました。ドリームワークスの作品なのに、ディズニーチャンネルで放映するのは不思議な気がしますが…子供向けの放映なので吹き替えだったのが残念です。本当はアンジェリーナジョリーとジャックブラックの声で見たかった。

平和の谷が極悪人タイラン(ユキヒョウ)中尾彬に狙われ、伝説の「龍の戦士」を選び出すことに。当然、シーフー老師(レッサーパンダ)笹野高史の元で修業に励んでいるマスターファイブ(タイガー木村圭乃、ツル真殿光昭、ヘビMEGUMI、モンキー石丸博也、カマキリ桐本琢也)の中から選ばれるはずだったが、ひょんなことから紛れ込んでいた太っちょパンダのポー山口達也がウーグウェイ導師(カメ)富田耕生によって選ばれてしまう。

ポーは大のカンフーファンで、龍の戦士が選ばれる儀式をひと目見たかっただけだった。まさか自分が選ばれるなんて本人も夢にも思っていなかったし、ポーが選ばれたあとも誰一人としてポーを龍の戦士と認める者はいなかった。しかし、ウーグウェイ導師は物事に偶然などないと運命に選ばれたポーを龍の戦士に育てるようシーフー老師に告げる。

ラーメン屋を営むミスターピン(ガチョウ)龍田直樹に甘やかされて育ったメタボ体型のポーにカンフーなどできるはずもないが、食べ物で釣るというシーフー老師の作戦勝ちでポーは知らないうちに進歩していった。

このポーの修行のシーンが昔のジャッキーチェンの映画を彷彿とさせるような内容で、コミカルでありながら、カンフー独特の流線的な動きをうまくアニメで表現していてとても楽しい。ジャッキーチェンはオリジナルのほうではマスターモンキーの声優として参加していますね。

マスターファイブたちもポーが選ばれて反発は覚えているものの、そこはさすがカンフーのマスターたちで、ポーをいじめたりせず、導師の選んだ道を信じている様子だったのが、なかなか素敵な展開でした。ポーがマスターファイブのファンでそれぞれのフィギュアを宝物にしているところなんかも可愛かった。

マスターファイブの戦いっぷりはみんなそれぞれの動物の特徴を生かしていて、それもとてもうまいなと感じました。特にヘビの滑らかな動きが良かったし、5人プラスポーで協力して戦うところも爽快でした。敵役のタイランもカッコ良かったし。このタイランが実はシーフー老師に育てられた孤児だったというのも興味深い設定でした。

龍の戦士だけが手に出来る奥義が書かれているという巻物には実は何も書かれておらず、自分の姿が映るのみ。ポーのお父さんのおいしいラーメンにも秘密の材料があると思っていたが実は特別な材料なんてなかった。そう。何事も成功するのに、特別な材料なんてない。あるのは自分自身。自分自身を信じるのみってことかな。これは子どもたちには良いメッセージとなるのでしょう。

ディズニーアニメが大好きなワタクシとしては、どうしてもやっぱりディズニーには敵わないなと思ってしまう部分はありましたが、それでもドリームワークスのアニメの中では一番面白かったな。「シュレック」よりもこちらのほうが好きです。

カンフーパンダ2

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「1」に続いてケーブルテレビで放映していたので、続けて見ました。

公開は「1」が2007年、「2」が2011年と4年の歳月が流れているので、テレビで見ても分かるくらいCGがキレイになっていました。

前作で龍の戦士となったパンダのポー山口達也はマスターファイブ(タイガー木村圭乃、ツル真殿光昭、ヘビMEGUMI、モンキー石丸博也、カマキリ桐本琢也)と共にシーフー老師(レッサーパンダ)笹野高史の下で暮らしていた。

そこへカンフーを抹殺し中国全土を支配することを目論むシェン大老(クジャク)藤原啓治が大砲を使って攻撃をしかけてくる。シェン大老の軍隊であるオオカミたちに襲われた村を助けにいったマスターファイブとポー。ウルフ隊長森川智之と対峙したポーはウルフ隊長が身に着けているシェン軍隊のマークである赤い目を見て突如悲しい記憶の断片が蘇り、その隙にウルフ隊長に逃げられてしまう。

あの悲しい記憶はなんだったのか。赤ちゃんのときの悲しい記憶の正体を探るためポーはミスターピン(ガチョウ)龍田直樹の元へと向かう。そこでポーは初めて自分の出生の秘密を知るのだった。

ポーがお父さんの本当の子どもじゃないと知るシーンは、笑っちゃいけないんだけど、笑えるシーンでしたね。ポーもガチョウの子どもではないことはうすうすは感じていたようなんですが、、、そんな告白を聞いてタイガーもどんなリアクション取っていいんだか、困っていたところも笑えました。でも、ポーの育ての親ミスターピンの愛には真剣にほろっと来ちゃいました。

CGもですが、アクションも「1」と比べるとかなりパワーアップしていて、最初からポーがカンフーマスターだから当然と言えば当然なのですが、戦いに次ぐ戦いで結構ドキドキの展開が続いて楽しいです。

その赤い目の秘密っていうのが、ちょっとハリーポッター風でしたね。ポーもある意味選ばれた子だし。そのあたりのポーとシェン大老の過去の因縁っていうのがうまく話にフィットしていて良かったと思います。

最後のシェン大老とポーの戦いは劇場で3Dで見たらキレイだっただろうなというのが分かる映像でした。

最後に実はポーの両親やパンダ仲間は生きているっていう映像があったので、これが「3」に繋がるということなのでしょう。と言っても「3」のアメリカ公開は来年のクリスマスってことなので、まだまだ待たないといけないようです。


ウィンターソルジャー〜ベトナム帰還兵の告白

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製作は1972年だが、当時まだベトナム戦争のさなかであり、ニューヨークで1日だけ公開されベルリンやカンヌ映画祭で高評価を得たもののアメリカのマスコミからは抹殺された作品。その後2005年にアメリカでリバイバル上映され、日本でも2010年に公開された。

1971年、戦争に反対するベトナム戦争帰還兵の会が行った公聴会。元兵士たちが集まって自分たちが実際に行ったり、目撃した残虐行為を告白した。

ヘリコプターから捕虜を落とすゲームをするため、乗せるときには捕虜の数は数えない。降ろす時に数えれば良いと上官から言われる。途中で何人も落として遊ぶから乗せるときに数を数えても無駄だと言う。

ベトコンか民間人かの区別がまったくつかなかったが、殺してしまえば、それはもうベトコンということで処理された。死んでいるベトナム人はみなベトコン。ベトコンだから殺されたのだからという理屈がまかり通る。

殺した人数を競うため、その証拠に殺した人たちの耳を削いで集める。その勝負に勝てば一日の終わりにビールをいっぱいもらえる。

ベトコンを匿っている疑いのある村を焼き払う。本当に匿っているかどうかはこの際問題ではない。

少女を家族の前で輪姦し、体を引き裂いて殺し焼き払う。

ここに挙げた以上のたくさんの証言が記録されている。

次々に暴露される残虐行為。彼らはベトナム人を差別していたのではないと言う。差別というところにさえいかない、ベトナム人のことは同じ人間ではない。特に価値のないものとして気にもかけない。そんな心情だったそうだ。

彼らをそうさせたものは戦場の狂気と、軍隊方式の訓練&洗脳だと彼らは言う。まだベトナム戦争が続く中での実名&顔出しの告白だから、相当の勇気がいったと思う。それでも彼らにそうさせたのはやはりこんなことを二度と繰り返してはならないという気持ちからだろう。

あれから40年以上。彼らが勇気を出してしてくれたことはなんだっただろうという歴史を世界は繰り返している。アメリカだけではない。この不毛さ。ベトナム帰還兵たちが勇気を持って証言してくれたことをアメリカ人だけではなく世界中の人たちが無駄にしてはいけないはずなのに、実際にはどうだ。

ここのところ、日本でもきな臭い動きが起こっているが、戦争と聞くと自分の息子が死ぬかもしれない、とか自分の家が爆撃されるかもしれない、とかそういう発想にすぐ行きつくと思うのだけど、それだけではない。もし自分の息子が戦争に行けば、戦争に参加していない敵地の民間人を虐殺し、そこにいる女性をレイプして帰ってくる。そういう発想にはなかなか行きつきにくいと思うけど、それが戦争の事実だということを認識しておかないといけない。

X-MEN〜フューチャー&パスト

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前作「X-MEN〜ファーストジェネレーション」のデキがとても良かったので、今回も楽しみにしていました。映画の日に鑑賞したので映画館はほぼ満席でした。

2023年、世界は戦争状態でミュータントたちを標的にするセンチネルというロボットが次々にミュータントたちを殺戮していた。プロフェッサーX(チャールズエグゼビア)パトリックスチュワートとマグニートー(エリックレーンシャー)イアンマッケランもセンチネルを相手に共闘していた。2人はキティプライドエレンペイジの能力を利用し、ウルヴァリン(ローガン)ヒュージャックマンをこのセンチネルの開発の発端となった1973年に送り、現在の戦争を阻止しようとする。

1973年チャールズジェームズマガヴォイはエリックマイケルファスベンダーとミスティーク(レイヴン)ジェニファーローレンスに裏切られたショックで、自暴自棄になり孤独に暮らしていた。チャールズの身の周りの世話をしていたビースト(ハンク)ニコラスホルトの変身を制御する薬を常用し、普通に歩けるようになっていたのと引き換えに他人の心を読む能力は消えてしまっていた。そこへ未来からやってくるウルヴァリン。過去に送られるときプロフェッサーXが「君のことは信じているから心配していない。それよりも心配なのは若いときの私たちだ」と言っていた通り、ひねくれたチャールズはなかなかウルヴァリンの言う通りに協力しようとはしない。

なんとかチャールズを説得して、次はマグニートーと思ったら、なんとマグニートーはペンタゴンの地下奥深くに収容されていると言う。どうやらJFKを暗殺したのはマグニートーだったとか…

ウルヴァリンはクイックシルバーエヴァンピータースの協力を得てマグニートーを脱獄させようとする。このクイックシルバーのアクションが最高でしたねー。厳重な監獄もクイックシルバーの素早い動きにかかれば、余裕、余裕。この作品はあんまりアクションが多くないので、アクションとしてはここが前半の一番の見せどころかな。一人ひょうひょうと敵をやっつけるクイックシルバーが最高です。

クイックシルバーは面白パートも担っていて、マグニートーの頭を押さえて「むちうち防止だよ」と言うところや、クイックシルバーに抱えられて超高速で移動させられたマグニートーが吐きそうになっているところが笑えました。マグニートーには珍しい面白いシーンでした。

やっと揃ったウルヴァリン、チャールズ、マグニートーの3人。この3人の目的とは、センチネルの開発者を暗殺したミスティークを止めることでした。ミスティークはミュータントのためにセンチネルの開発者を殺したのですが、その時捕らえられてしまい、彼女の変身能力を研究されセンチネルが相手のミュータントの能力に合わせて変身し、ミュータントを殺す能力を身に着けてしまったのです。だから、3人はミスティークを説得し暗殺を止めようとするのですが、、、

チャールズを恨みマグニートーにも捨てられたミスティークが2人の言う事を簡単に聞くはずもなく。不本意ながらミスティークと戦うハメになってしまいます。

ミスティークはこのシリーズの中で一番好きなキャラクターです。本当はレベッカローミンの演じていたほうが好きなんですけど、キャストごと若返ってしまっているので仕方ないですね。ミスティークもミュータントのことを考えてセンチネルの開発者を殺そうとしているわけで、悪者としての敵ではないのに戦わないといけないので、なかなかに切ないです。このシリーズは結構切ないシチュエーションが多いですね。

チャールズが自信を失くして未来の自分に助言を求めるシーンがありましたが、将来あんなふうに自分が禿げてるのを見てビックリしませんでしたかね?ウルヴァリンにそのことについて何か聞くかなと思ったんですが、シリアスなシーンの連続だったのでそんな冗談は入れる余地はありませんでした。

途中、マグニートーの反乱があったりして、もーやっぱりお前はそうなんか!と思いましたが、あれがマグニートーの性分なんでしょうね。マグニートーが人間を恨む気持ちも分かるししょうがない部分もあると思います。

今回チャールズとマグニートーがお互いを憎みながらも、どこかで同士愛的なものを持っているのもあって複雑な関係が興味深いテンションというかケミストリーを生み出していて、それがとても良かったと思います。それと映画ファン的には、いまをときめくジェームズマガヴォイ、マイケルファスベンダー、ヒュージャックマンが一つの空間にいるという映像がとても贅沢でした。

最後に彼らの計画が成功し、ウルヴァリンが戻ってきたのは平穏な世界でした。これまでミュータントたちが経験してきた壮絶なバトルは歴史上存在せず、そこにはジーンファムケヤンセン、サイクロプスジェームズマースデン、ローグアンナパキン、ストームハリーベリー、歳を取ったビーストケルシーグラマーたちがみな幸せそうに暮らしていたのです。ワタクシの大好きなキャラクター、サイクロプスの姿を久しぶりに見られて嬉しかったなぁ。こちらの歴史のほうではジーンとくっついてるみたいだったし良かったー。ワタクシはずっとジーンにはウルヴァリンよりサイクロプスを押していたので。

なんかねー、今まで苦労してきたミュータントたちが幸せそうにしているのを見て感無量でしたねー。ただあの中にミスティークとマグニートーはいなかったので、2人がどうなったのかは気になりましたけど。続きができることを考慮してはっきり示さなかったのかなぁ。

エンドクレジットが終わってからまた新たなミュータントが出てきてましたけど、これもまぁ続きを作るなら出てくるんでしょうけど、彼らにせっかく平穏な日々が訪れたので、もうこれで終わりにしてくれてもいいなぁという気もしています。

Glee Season 5 第10話〜第12話

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もう13話まで進んでしまいましたが、3話ずつということで。

第10話 Trio



「Jumpin' Jumpin'」 by Destiny's Child

デスチャのナンバー、なつかしいです。

「Barracuda」 by Heart

「Don't You (Forget About Me)」 by Simple Minds

「Danny's Song」 by Loggins and Messina

「The Happening」 by The Supremes

「Hold On」 by Wilson Phillips

こちらはデスチャどころじゃないなつかしさですねー。サビの部分がとても印象的な曲です。


第11話 City of Angels



「I Love LA」 by Randy Newman

「Vacation」 by The Go-Go's

「Mr. Roboto / Counting Stars」 by Styx / One Republic

「More Than a Feeling」 by Boston

ここから3曲はフィンコーリーモンテースが好きだった曲です。もうフィンを出してくるのは反則。毎回泣ける。
今回はフィンのお母さんロミーローズモントに泣かされました。

「America」 by Neil Diamond

「I Still Haven't Found What I'm Looking For」 by U2

これはワタクシも大好きな曲なので嬉しかったです。
最後にサムコードオーバーストリートがフィンのドラムスティックを突き上げるところに感動しました。

第12話 100



「Raise Your Glass」 by P!nk

ウォブラーズバージョンのほうが良かった…

「Toxic」 by Britney Spears

Unholy Trinity の再結成。セクシーでしたね。
久しぶりにクインダイアナアグロンが登場してくれました。やっぱりいつ見ても美しい。
そして彼女はガリガリのやせっぽちじゃなくてちょっとムチっとしているところがワタクシは好きです。

「Defying Gravity」 by The Cast of "Wicked"

メルセデスアンバーライリーも混じって歌ってくれたのは良かったけど
微妙に上げるところとかが前と違ってたのがイヤでした。
前と同じ歌い方してほしかったな。

「Valerie」 by The Zutons (Mark Ronson ft. Amy Winehouse)

「Keep Holding On」 by Avril Lavigne

「Happy」 by Pharrell Williams 


100回記念の楽曲をまとめたCDが発売されているので、その分は良いのですが
「City of Angels」の回の楽曲がなぜかiTunesから発売されません。
もしかしてもうあんまり売れないからなのかなー?
他に入手する手段がないので発売してもらいたいです。

ジョイフル♪ノイズ

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ケーブルテレビで放映していました。DVDスルー作品かと思ったのですが、ミニシアター系で公開したようですね。クイーンラティファが結構好きなので見ることにしました。

不景気に悩むジョージア州の小さな町の教会のゴスペル隊。リーダーのバーニークリスクリストファーソンが急死し、後任にヴァイクイーンラティファが選ばれる。それが気に入らないバーニーの妻でゴスペル隊のメンバーであるGGドリーパートンとは対立してしまうが、ヴァイの娘でゴスペル隊のリードヴォーカルオリビアキキパーマーとGGの孫ランディジェレミージョーダンが急接近し…

このゴスペル隊はなかなかの実力を備えているのだけど、毎年ライバルのゴスペル隊に負けて全国大会には出場できていなかった。そこで、GGはヴァイの好きな伝統的な楽曲はやめて、いま風の楽曲とアレンジでいこうとランディにアレンジを任せるのだが、ヴァイはそれも気に入らなかった。

お話自体はまぁ大したことはないですね。ヴァイとGGの対立とかオリビアとランディの交際に反対のヴァイとか、ヴァイと夫マーカスジェシーLマーティンとのうまくいかない夫婦生活とか、そういう問題を盛り込みつつところどころにゴスペル隊の歌を挿入してって感じです。基本的にみんな良い人なので、安心して見られます。

クイーンラティファとドリーパートンが世代は違うものの、歌謡界の大物同士やり合うのですが、もうドリーパートンを出そうと思ったら、あの整形顔とブーブジョブをいじくるしかないわけですよ。ドリーパートンのキメキメの髪型もぐちゃぐちゃにしてやるー!とかクイーンラティファにしかできません。ゴスペル隊のローブも一人だけおっぱいのとこ絞って強調してるんだけど、それもちゃんとクイーンラティファが突っ込んでくれますから。あぁ、良かった。その辺突っ込まずにスルーされたらムズムズしますもん。それを突っ込ませてくれるドリーパートンはさすがの貫録です。

やはり歌は素晴らしかったです。クイーンラティファとドリーパートンはもちろんのこと、キキパーマーとジェレミージョーダンという若い2人の才能にすごく引き込まれました。特にジェレミージョーダンの歌声はパワフルでとても魅力がありますね。ゴスペル隊なので、歌う曲がすべて神とキリストを崇め奉るもので、無宗教なワタクシとしてはそれにはちょっと辟易とする部分もあるにはあるのですが、たいがい普通の曲でもhimをHimとみなして歌うだけでゴスペルソングになるものだなぁとちょっと感心しました。

歌以外のエピソード部分で良かったのはランディとオリビアの弟でアスペルガーのウォルターデクスターターデンの交流でした。オリビアとの交際には反対しているヴァイもウォルターに接するときのランディを見て、本当はランディが良い子だと分かってくれていたでしょう。

こういうコンペものの物語では、たいがいライバルが優勝したけど不正していて、その杯がこっちに回ってくるというパターンが多いですね。すんなり優勝ってするのはドラマチックじゃないからなんでしょうけど、あまりにもそういうパターンが多いので、何か別の良い展開がないもんかなぁと思いますがそれもなかなか難しいですかね。

ゴスペル隊の歌が素晴らしいので、それで☆ひとつ分足される部分があると思いますが、特に最後に大会で歌う曲が素晴らしいのでお好きな方はぜひご覧になってみてください。

オマケジェレミージョーダンのことは今回初めて知ったのですが、昔同姓同名のアイドルがいましたよね?覚えている方いらっしゃいますか?

Glee Season 5 第13話〜第15話

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第13話 New Directions



「I Am Changing」 by the Cast of "Dreamgirls"

「Party All the Time」 by Eddie Murphy

これってエディマーフィーなんですね。原曲聞いてみたい。

「Loser Like Me」 by Glee Cast

これは、元々の早いバージョンのほうが良かったな。
出だしだけゆっくりで途中から早くなるとかだったら良かったのにな。

「Be Okay」 by Oh Honey

またまたレイチェルリアミシェルとサンタナナヤリベラの声の相性抜群なところを見せ付けてくれました。

「Just Give Me a Reason」 by P!nk ft. Nate Ruess

この曲ねー、もうワタクシ大大大好きな曲なんです。
それをグリーでやってくれてしかも歌ったのがクインダイアナアグロンとパックマークサリングって嬉しすぎー。
ピンクとFUNのネイトルイスだからグリースタッフ好きそうですもんね。全米でもかなり売れたシングルだったみたいだし。
ダイアナはか細い声なんだけど、低い声のときがとても渋いのでこの曲にとても合っていました。

「Don't Stop Believin'」 by Journey

この曲一体何回目?と思いつつやっぱり感動してしまいました。
カートクリスコルファーが男声パートを歌っていてシュー先生マシューモリソンがクスッと笑うところが良かった。

第14話 New New York



「Down Town」 by Petula Clark

「You Make Me Feel So Young」 by Frank Sinatra

「Best Day of My Life」 by American Authors

「Rockstar」 by A Great Big World

アダムランバートが歌うたびに「やっぱうまいわぁ」って言っちゃいます。
パワフルなヴォーカルがいいなぁ。
A Great Big Worldはグリーに感謝っていうYou Tube動画作ってました。

「Don't Sleep in the Subway」 by Petula Clark

待ちに待ったアーティケヴィンマクヘイルとレイチェルのデュエット。
ワタクシの記憶が正しければ大勢の中の掛け合いはあっても完全なデュエットは初めてなはず。
それでこの曲っていうのはちょっと残念だったな。
もう少しアップテンポなカッコいい系の曲で2人のデュエットを聞いてみたい。

「People」 by the Cast of "Funny Girl"

第15話 Bash



「No One Is Alone」 by the Cast of "Into the Woods

「You Make Me Feel Like a Natural Woman」 by Aretha Franklin

「Broadway Baby」 by the Cast of "Follies

「Not While I'm Around」 by the Cast of "Sweeney Todd

「Colorblind」 by Amber Riley

「I'm Still Here」 by the Cast of "Follies"



なんかすっかりマッキンリーの子たちが出て来なくなったんですけど
本当にあれで解散で終わり?
そんなん寂しすぎるよー。
そりゃ初期メンバーが気にはなるけどやっぱグリー部のドラマなんだしねぇ。。。

小悪魔はなぜモテる?!

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アメリカの高校を舞台にしたコメディ。特に目立たない存在の女子生徒オリーヴエマストーンがひょんなことから親友アリアンヌアマンダバインズに大学生と寝たと嘘を言ってしまう。それをトイレで聞いた他の女子生徒が学校中に噂を広めてしまい、その噂にもどんどん尾ひれがついてオリーヴは一躍有名人になってしまった。

これまで誰にも見向きもされなかった自分が校内の注目の的となり、最初はまんざらでもなくその噂に乗っかって嬉しがっていたオリーヴ。その噂を利用してゲイでいじめられているブランドンダンバードが自分とセックスしたことにしてほしいと頼んでくる。同級生の家のパーティで2人はセックスしたふりをし、オリーヴはアバズレというレッテルを貼られてしまうが、この際開き直ってしまえと授業で習ったばかりの「緋文字」のヒロインのように服に「A」という刺繍を服に貼り付けビッチな服装で通学するように。

ブランドンとの噂の真相を知る男子から次々と嘘のセックスの依頼が舞い込み、オリーヴはクーポン券や現金などを受け取って、冴えない男子たちとセックスしたふりをしてあげる。

しかし、やがて嘘にも限界を感じ始め、お金を払ったらヤらせるんだろという奴に襲われそうにもなるし、気になる男子と真剣に交際もしたいし、ということでそれまでの嘘をネット配信で告白することにする。

ウィルグラック監督の演出がうまく、映画の運びとしては最初からオリーヴがネット配信をするところでスタートしており、観客もその告白を聞く形で事の顛末を知るようになっている。「ステイフレンズ」はそこまで素晴らしいとは思いませんでしたが、これは結構良かったな。

エマストーンは可愛いけどとびきりの美人ではなく、賢そうに見えるので、アバズレの噂を流されながらも実はとても真面目というこのオリーヴの役柄に非常に合っていた。なぜか彼女が80代の青春映画に詳しくてジョンヒューズ作品へのオマージュが見られるのだけど、これは監督の趣味なのかな。ジョンヒューズ作品を知っているととても嬉しくなってしまうシーンがあります。

全編エマストーンのナレーションで進むのだけど、彼女の落ち着いた印象でドタバタしたシーンもバカバカしくなり過ぎず、それは彼女の演技力の賜物かなと思いました。

オリーヴのお気に入りのグリフィス先生にトーマスヘイデンチャーチ、その奥さんでスクールカウンセラーにリサクドロー、出番は少ないけど校長先生にマルコムマクダウェルとなかなかのメンバーがオリーヴの高校生活を支え、さらにオリーヴのお母さんにパトリシアクラークソン、継父にスタンリートゥッチと家庭でも大先輩の役者さんがしっかりと支えてくれて安心して見ることができます。

このねー、オリーヴの両親のキャラクターが最高なんですよー。オリーヴの下に養子にした弟君がいて、その子が黒人なんです。それで、その子が養子だからうんぬんって話をすると「どうして知ってるんだっ?時期を見て話そうと思ってたのに!」とかわざと大騒ぎしてみたり、オリーヴの良い所は僕に似たんだなーって継父なのに言ってみたり、「私がアバズレってことになってて」と話すと「お母さんもそうだったから大丈夫よ。ほとんどは男の子が相手だったけど、、、」とか娘としては絶対に聞きたくないようなことをあっけらかんと話したり。もう2人とも面白すぎ。パトリシアクラークソンとスタンリートゥッチだからまたそれもカッコ良くてねー。ワタクシの中ではこの両親のおかげで映画の評価が上がってます。

「スパイダーマン」のヒロインとして日本でも有名になる少し前のエマストーンが見ることができます。「スパイダーマン」で彼女のファンになった方も多いと思いますのでぜひご覧になってみてください。

オマケ「緋文字」がモチーフとなっていますので、原作をご存知ない方はリサーチしてからのほうが楽しめるかもしれません。オリーヴはデミムーアバージョンはダメって言ってましたけど、それでもよろしいかと思います。

マシンガンプリーチャー

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なんか題名だけを見るとふざけた映画みたいに思えますが、実話の映画化です。

刑期を終えて出所したばかりのサムチルダースジェラルドバトラー。特に反省の様子はなく昔の仲間ドニーマイケルシャノンにすぐに会いに行き、すぐに麻薬を打って、ギャングの麻薬工場を襲い金を奪った。服役中に妻のリンミシェルモナハンは信仰に目覚めたらしくストリッパーを辞めて工場で働いていて、サムにも教会に行くことを薦めるがサムは冗談じゃねぇと突っぱねた。

ある晩、ドニーとハイになってドライヴ中ヒッチハイカーがいたので乗せてやった。そのヒッチハイカーは目的地を強要して脅してきたので、サムはナイフでメッタ刺しにしてしまう。さすがに自分のしたことを反省したサムはリンと一緒に教会へ通うようになり、洗礼も受けた。

教会でアフリカで活動している宣教師の話を聞く機会があり、それに感化されたサムはアフリカへ行くことを決心する。サムが信仰に目覚めそのような行動に出たことは母親キャシーベイカーも妻のリンも賛成してくれた。

建築業の腕を生かしてアフリカのスーダンで、孤児院や学校などを建てる仕事を始めたサムだったが、「神の抵抗軍」という武装ゲリラが子供たちを拉致し、レイプ、暴行の末少年兵に仕立てているという現実を目の当たりにする。サムは子供たちを守るため自らマシンガンを手にし、神の抵抗軍と戦うことも辞さない。

できるだけ多くの子どもたちを救うため故郷に帰り資金集めに奔走するサム。お金持ちの社長に寄付を頼むが少額しかもらえず苛立ちを隠せない。自ら故郷に教会も建て牧師にもなり、演説で寄付を募るが、現地を知っているサムと故郷に残された家族や友人の間に少しずつギャップが生じ始める。

最初は奥さんもかなり後押ししてくれてたんですよね。一度孤児院が襲われて事業が失敗したときも「泣いてないでまた作り直せばいいのよ」って電話で亭主の尻叩いてくれて、この奥さんすげーって思ったんだけど、あまりにもスーダンの子たちにのめり込み過ぎて自分の娘をないがしろにし過ぎたサムに、さすがの妻もついて行けなくなるんですよね。まぁ、これは仕方ないなと思う。スーダンの現状を考えれば娘がプロムにリムジンを借りたいなんて贅沢すぎる悩みだとサムには感じられるんだろうけど、やっぱりこっちにはこっちの生活があるし、アメリカのキッズにとってプロムは一大事なんだし、それだって大切なことなんだよね。

結局故郷では批難され、スーダンでも理想のように物事は進まず、腐りかけたところに孤児の一人に「憎しみで心を満たしちゃだめだ。それこそが敵に負けたことになる」と言われてサムはまた立ちあがっていく。これを孤児に言われたってのは映画的な演出かもしれませんが、そういうことにサムが気付いたっていうのは本当なんでしょうね。

ワタクシも見ていてのめり込み過ぎているサムには反発を覚えたんだけど、彼がもう一度開眼するところまで描いてくれてすっきりしました。彼が信仰を失いかけるところも描かれていてワタクシ的には納得できました。だって、あんな現状を見せつけられてそれでもまだ神がいるなんて思える?って思って当然だと思うから。それでも彼は信仰を取り戻すんですけどね。いまでも奥さんとは夫婦のままで故郷での教会もアフリカでの支援もずっと続けていらっしゃるそうです。

もちろん、サムのやっていることに賛否両論はあると思います。現地のボランティア医師に責められたように彼だって人を殺しているわけだし、殺す理由を正当化しているわけだから。それが悪循環を生むと言われればそうなのかもしれません。でも目の前に殺されてしまう子どもたちがいて、それを見逃すわけにはいかない。それがサムを動かしている。そしてサムも短絡的に子どもを助けているわけではなくちゃんと孤児院とか学校とかを作って長期的なスパンでも物事を改善しようとしてはいるわけだから。まぁこれを見て複雑な気分になるのはしょうがないけど、だからってサムを責めることはワタクシにはできないな。ここまでやってる人をね。

最後に本物のサムが出てきて言うんです。「私のことを批難するのは自由です。でももしあなたの大切な家族や子どもが拉致されて、私が取り返してあげると言ったら、あなたはその手段を問いますか?」と。色々と考えさせられます。


怪盗グルーの月泥棒

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ケーブルテレビで放映していたので見ました。吹き替えでの鑑賞です。

アメリカでアニメ映画と言えばもちろん筆頭にくるのはディズニーですよね。ディズニーを傘下に収めてるピクサーや「シュレック」や「カンフーパンダ」で有名なドリームワークスも。そして、このグルーは「アイスエイジ」で有名な20世紀フォックスアニメーションです。映画ファンでない方にとってはどこの会社のアニメかなんてどうでもいいのでしょうけれどもね。やはり一番よく知られているディズニー系とは特徴が違うので知っていても面白いかと思います。

ワタクシはディズニー&ピクサーのファンで、どうしても他の会社のアニメはあんまりだなぁと感じてしまいます。特にピクサーの作りは非常にスピード感があっていつも冒頭から掴みはOK!って感じでぐぐっと観客を引き寄せるという運びなので、それに慣れているとこのグルーのように冒頭が普通の物語運びだとどうにもトロくさいなぁという印象を持ってしまいます。

というわけで、最初はそんな感じで見ていたんですが、ちゃんと筋を追って見ているとだんだんと面白くなってきました。

題名通り“怪盗”グルー笑福亭釣瓶がピラミッドを盗んだライバル・ベクター山寺宏一に対抗して、世紀の大犯罪を成し遂げようと月を盗むことを企む。そのためにはベクターが持っている縮小ビーム銃(ドラえもんのスモールライトみたいなやつ)を手に入れなくてはならず、グルーのために色々な機械を開発してくれるネフィリオ博士伊井篤史とネフィリオ博士がバナナから作ったミニオンたちと協力してベクターの家に忍び込もうとするグルーだが、ベクターの家の警備が固すぎて侵入することができなかった。

そんなある日、ベクターの家にクッキーを売りに行った孤児の少女たち3人マーゴ須藤祐実、イディス矢島晶子、アグネス芦田愛菜が簡単にベクターに招き入れられたのを目撃したグルーはこの3人を養子に迎え、3人を利用してベクターの家に入り込もうと画策する。

勝手にグルーがミニオンたちに振り回される話なのかなぁと想像していたら、悪党グルーがこの少女たち3人に振り回される話でした。ミニオンたちはグルーの忠実な僕なんですね。少女たちを利用するために養子にしたグルーですが、結局彼女たちをむげに扱えない善い人の部分が見え隠れし、それが徐々に少女たちへの愛に変わって行くところにほろっと来ます。

でもやっぱ可愛いのはミニオンですねー。バナナから作ったってこと以外特に素性は知らされてないのでよく分からない存在で、言葉も喋れるんだかなんなんだかって感じなんだけど、言ってることは分かります。似たような奴らがいっぱいいるんだけど、実は一人一人特徴があって、ちゃんと名前もついていて、それをグルーがちゃんと把握しているところなんかは、そもそも少女たちを可愛がるだけの素地があったんだなって感じです。最後はミニオン一人一人にもおやすみのキスをしてあげていてすごく可愛らしかった。

それとあのグルーが飼っている超ヘンテコリンな犬カイルにもウケました。あれは一体何?狂犬な感じなくせに、ちゃっかり少女たちと仲良くなってるし。グルーの世界って色々と不思議なものが存在して面白いですね。グルーの車とかもすごかったし。

あと鶴瓶の吹き替えはどうなんですかねー。グルーの関西弁って合わないような気がするなぁ。英語のほうはスティーヴカレルだから鶴瓶の声とは全然違いそうですね。グルーって見た目はあれだけど、結構クールなイメージのほうが合うと思いました。英語のほうもチェックしてみたいです。

グルーと少女たちの交流にはジーンときましたが、もっとミニオンが活躍するものと期待していたのでその点は少し残念でした。続編は「ミニオン危機一髪」となっているのでもっとミニオンが活躍するのかな。それにミニオンのスピンオフ作品も作られるというウワサなので期待して待ちたいと思います。ワタクシ自身のひいき目もあって、やはりピクサー×ディズニー作品には及ばないなという印象がありますが、続編、スピンオフも見て総合的に判断したいなと思います。

サードパーソン

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好きな脚本家&監督ポールハギスの作品で、しかもその中でも秀逸な「クラッシュ」と似たような群像劇ということで見に行きました。

パリ

小説家マイケルリーアムニースンはパリのホテルに籠って執筆中だが、スランプに陥っている。

マイケルの愛人アンナオリヴィアワイルドはマイケルに会いにパリのホテルにやってくるが、別の部屋も取っていて、マイケルとは駆け引きばかり。もう一人ダニエルという恋人もパリに来ているようなのだが、、、

マイケルの妻エレインキムベイジンガーは、マイケルが不倫していることも承知しているが、マイケルと別れようとは思っていない様子。

ローマ

ケチな産業スパイのアメリカ人スコットエイドリアンブロディはバーで出会ったロマの女性を助けようと奔走する。

スコットがバーで出会ったロマの女性モニカモランアティアス。8歳の娘を売られそうになっておりお金を工面しているが、そのお金を何者かに盗まれてしまう。

ニューヨーク

子どもを自らの過失により死なせてしまいそうになったため面会権を奪われ元夫と裁判中の元女優ジュリアミラクニス。お金がなくホテルの客室清掃係になんとか就職する。

ジュリアの元夫で有名な画家のリックジェームズフランコ。息子と暮らしているがうまくなついてはくれていない様子。

ジュリアの弁護士テレサマリアベッロ。依頼人のジュリアが約束を破るなどするため愛想を尽かしそうになっている。

3つの場所で3組の男女の物語が語られる。誰が特に中心というわけではなく、平等に重きを置いて語られるところはまさに「クラッシュ」を彷彿とさせる。この3組の話がどこでどう交わっていくのか。それが気になりつつ、3つの物語の行方も気になる。

パリの不倫カップルは駆け引きばかりで、楽しくもあるけれど少しイライラもした。裸にバスローブで男の部屋を訪ねてきた女をバスローブだけ受け取って素っ裸で部屋に帰してしまう、などそれだけ見ていると面白いけど、その後本当にまったく何もなく済ませてしまうなんてよくやるなぁと逆に感心してしまう。男には妻が、女には他に恋人がという状況で素直になれない2人なのかと思いながら見ていたけど、どうやら事はそう単純ではなかったようだ。

ローマのモニカとその娘を必死に助けようとするスコットと彼の好意をはねつけながらも頼らざるを得ないモニカ。この2人が徐々に距離を近づけていくラブシーンはとても切なくてじーんと来て、なぜかちょっとうるっとさえきました。

ニューヨークのジュリアはとても悲しい。彼女は子どもとの面会権を得るための精神鑑定の面接にも遅れて行ってしまう。不可抗力だったとはいえ、「私のせいじゃないの」が口癖のように口をついて出てくる彼女を信用してくれる人はもういない。それでも無理やり会いに行った息子。その息子に「お父さんの世話をお願いね」と言い残したことで図らずも元夫の心を動かすことができた。

この3組の共通点は子どもだ。パリのマイケル、ローマのスコットはどうやら自分の不注意で幼い子供を亡くしてしまったようだし、それによって夫婦の絆も壊れてしまったらしい。モニカは子どもを失くす寸前で、ニューヨークのジュリアは不注意だったのか、故意だったのか子供を死なせてしまいそうになり親権を奪われている。

3つの物語は少しずつ交差しているように見える。ローマのスコットの元奥さんはニューヨークのジュリアの弁護士のテレサだし、マイケルとアンナが滞在しているホテルの客室清掃係がジュリアだったりする。

ん???

マイケルとアンナが滞在しているホテルの客室清掃係がジュリア???

この辺りからどうにも話がおかしいぞ、と。もっと前から気づいていた人はいたんだろうけど、ワタクシは初めてこの辺りでおかしいなと感じ始めました。ジュリアはニューヨークにいるはずで、マイケルとアンナが滞在しているのはパリのホテルのはず。。。

カタカタカタカタカタカタ、、、スランプの小説家マイケルは書き続ける。自分とアンナの関係を、実際に起こったことを、自分の創作を。実在の人物はマイケルと妻のエレインだけなのか。アンナは過去の愛人かと思ったけど、エレインのiPhoneに息子の写真が入っていたことを考えると息子を亡くしたのも最近の話か。

全編ポールハギスらしい切ないトーンで続き、極端に短いスパンで別々の物語へと飛ぶんだけど、その切り替わりが驚くほどにスムースで編集の腕の高さを感じる。色を印象的に使用しており、演出のトーンは一貫していながらも、各都市の印象をうまく出しておりこれだけの物語でありながら混乱はない。

役者陣の演技も素晴らしく、全体的な点数としては高評価をつけるところなんだけど、あのオチというのはちょっと禁じ手に近いような気もするんだよなぁ。ポールハギスだけにさらにすごいオチを期待してしまったというか。どこからどこまでが、っていうのはポールハギス自身も答えは用意していないと言っているようなので、それはそれで不満はないんだけどね。このモヤモヤした余韻、っていうか、余韻がモヤモヤしてるっていうのかな、それがこの作品の狙いなんだろうかという気もするし。ぶっちゃけよくは分かりません。

それぞれの人物に感情移入できるのに、なぜかマイケルにだけはいまいち感情移入できなかったのはこのオチが原因だったのかな。マイケルだけは観客が感情移入すべき「キャラクター」ではなかったから。

見終わったあとすぐに頭からもう一度見たくなるタイプの作品です。評価は両極端に別れているようですが、ワタクシは好きな作品でした。

オマケ1ロマという民族のことを少し知らないとどうしてモニカがあんな扱いを受けるのか分かりにくいと思うのでご存知ない方は調べてからご覧ください。

オマケ2モニカを演じたモランアティアスが川原亜矢子に似ているなぁと感じました。

ノア〜約束の舟

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我らがハーマイオニーことエマワトソンが出ているので見に行こうと決めていました。ラッセルクロウとジェニファーコネリーも結構好きなので。

お話はお馴染みの「ノアの方舟」なんですが、開けてビックリですよ、このお話。いいの?聖書に載ってるお話をこんなにしちゃって。ワタクシはキリスト教徒じゃないから別にいいけどさ、これ、キリスト教徒が見たら怒らない?お馴染みの、なんて書いちゃったけど全然お馴染みじゃないよ。まったく違う話になっちゃってる。

人間が悪い事ばかりするので神が怒って洪水で一掃する。神からのお告げを聞いたノア(クロウ)は箱舟を作り生き物のつがいを乗せ、家族を乗せ洪水を乗り切る。という大筋は当然一緒なんですが、箱舟を作るのを「ロードオブザリング」のエントのパクリみたいな岩の形をした天使たちが手伝ってくれちゃったりなんかして、まずそれでビックリ。そして、ノアの3人の息子はそれぞれの妻とともに箱舟に乗り、その子孫が繁栄ってことになっているのに、長男セムダグラスブースにしか妻イラ(エマ)はおらず、しかもその妻は子どもを産めない体ときたもんだ。

まぁ、別にひとつひとつ聖書と違うところを指摘しても仕方ないのでやめておきますが、これは完全にダーレンアロノフスキー監督の妄想爆発映画ということで、、、そうだ!この人!「ブラックスワン」で評価が上がって忘れかけていたけど、「ファウンテン〜永遠の愛」っていうまさに妄想爆発映画作った人だったー。それを考えるとこの作りも納得。「ファウンテン」の時より監督の知名度が上がってお金かけられるようになって「ファウンテン」が大作になったような映画が「ノア」なんだー。

そのお金かけられるようになったって話なんですけどね、もちろんキャストやセット、CGにお金がかかっているんでしょうけど、あの動物たちがやってくるシーンのちゃちさは何なんでしょう。鳥、地を這う者、動物ってどわーーーーって順番に押し寄せてくるんだけど、一種一種が全然丁寧に作られてなくて、似たような感じのがいっぱい来るだけなんですよね。もっと色とりどり大きさも様々なのがすごい迫力で来るもんだと一番期待していたシーンなんですが、とても残念なCG初期のような作りでした。

この作品の中のノアは洪水が来るまえに人間の醜さを目の当たりにして、人間という存在に絶望し、この家族で人間を終わらせあとは動物たちの楽園になれば良いと考えるんですね。だから、奇跡的に授かった長男の赤ん坊を男なら最後の人間に、女ならその場で殺すと宣言しちゃう。おー、ノアさんご乱心。ってとこなんだけど、それはそれでワタクシ的には筋の通った話だと思いました。「地球が静止する日」でもそうだけど、ほんと、この地球って人間さえいなければずっと良い所なんじゃないかって思うもんね。どうせなら、ノアが滅ぼしてくれれば良かったのにと思わなくもない。でもこの思想はキリスト教とは真っ向対立する考え方なんだよなぁ。

でもワタクシが分からないのは、すべては神の思し召しなんだとしたら、イラが妊娠したのも神の思し召しじゃないのかな?どれが神の思し召しでどれが神への背信行為かをノアが決められるの?って疑問に思いました。

結局女の子の双子が生まれてノアは殺そうとしたけどできなかった。その子たちに愛を感じたからってことらしいけど、その後ノアは家族から離れて飲んだくれてるんだよ。飲んだくれた挙句に素っ裸で昏倒(?)って。いいの?神に選ばれし者にこの描写。孫娘を殺そうとした乱心親父を家族が赦して終わり、というなんとも不思議な物語でした。神様もねぇ、もっと具体的に色々告げてくれれば良かったんですけど。

見ている最中ずっと頭から離れなかったんですが、神様ってアダムとイヴを作ったまでは良かったけど、その後のことはあんまり考えてなかったのかなぁ。なんか何も知らずにハムスターのつがいを飼ったらアホみたいに増えちゃったーみたいなね…あ〜こんなこと言ったらそれこそキリスト教徒の人に叱られちゃうな。

聖書のお話ということで、衣装がとても暗いんですが、その時代にそんな服を着ていたかどうかは知りませんが、それらしく見せつつも現代的な凝り方をしていてなかなかに面白いなと思いました。

監督の妄想爆発って書きましたけど、考えてみれば、映画なんてどれも監督の妄想からスタートしているのだろうし、聖書だってノアは500歳くらいだとか、箱舟は100年かけて作ったとか、フィクション要素がとても強いし、聖書の中で割かれているページ数も多くはないから監督の妄想が入る余地というのがたくさんあるのでしょう。要はそれを一緒に楽しめるかどうかってとこですね。ワタクシは「おいおいおいおいー」と突っ込みを入れつつエマワトソンが出ているからまぁ許そうって感じでした。エマはどこに出ていてもやっぱり可愛いね。ってそれが結論かい。

オマケ長男役のダニエルブース君。男前なんだけどなー、クチビルが。惜しい。

her〜世界でひとつの彼女

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アカデミー賞脚本賞と取ったことでも注目していましたし、ホアキンフェニックス、スカーレットヨハンソンが好きなので楽しみにしていた作品です。ただ、監督がスパイクジョーンズということで、ちょっとした不安もありました。スパイクジョーンズ監督、嫌いではないですが、独特の世界観を持った人なので、それが吉と出るか凶と出るか見に行くにはちょっとギャンブルになると思っていましたので。

結果としてはワタクシの中ではそんな吉か凶かという極端な評価には別れませんでした。巷の反応を見ると好き嫌いがはっきりと別れているようですね。

それもそのはず、主人公のセオドア(ホアキン)が人工知能型OSサマンサ(声:スカヨハ)と恋愛するって話ですから。えーーーー!なにそれーーー!へんたーい!って思った人はもうこの作品を1ミリたりとも受け入れられないと思います。ワタクシは結構あっさり受け入れてしまったので、その辺りは全然大丈夫でした。

ワタクシがこの設定をあっさり受け入れた原因というのは、舞台設定が少し先の未来で町の様子なんかも現実とは少し違っていること、そのためセオドアの職業も手紙代筆人という変わった職業で、シチュエーションだけを伝えて親から子へ、孫から祖父母へ、恋人へと手紙を代筆する人らしい。それもテクノロジーが発達していてセオドアたち代筆人はPCに向かって話すだけですらすらとPCが手紙を書いてくれる。いまでもそういう機能はあるにはあるんだろうけど、今のPCの言語認識って聞き間違いとかめちゃくちゃ多いけどセオドアたちがいる世界では全然そんなことはなくって、普通に話しかければPCがちゃんと文字起こししてくれていた。というのと、この最新OSはとっても普通に限りなく人間のように話すのでまるで遠距離恋愛している恋人と電話で会話をしているような錯覚を覚えるから。

そして、何よりもその声がスカーレットヨハンソンだったことがワタクシとしては大きかったと思います。彼女の声、ワタクシもともととても好きなんですよねー。彼女は少しあま目だけどハスキーな声という特徴的な声をしています。彼女をサマンサの声に選んだのはとてもナイスだったと思う。

サマンサは何と言ってもOSなので、セオドアのことはなんでも知ってる。彼が書いたメール、来たメール、彼がハマっているゲーム、彼の電話帳から友達関係、ネットで調べたことから興味のあること、というふうに。セオドアは離婚調停中の妻キャサリンルーニーマーラに未練たらたらなんだけど、そういうのも全部サマンサには分かっちゃう。セオドアとしてもそもそもサマンサはOSだから、色々気にすることなく気兼ねなく話せたんでしょうね。自分のことを的確に分かってくれる彼女。声のトーンで機嫌まで察してくれる。人工知能型でどんどん成長していくから冗談だって普通に通じる。そんな相手と四六時中話していたら恋に落ちてもおかしくはない。

意外だったのは、そういうセオドアのことを周囲もわりと普通に受け入れるんですよね。セオドアの大学時代からの友達エイミーエイミーアダムズもOSが親友みたいになってるし、仕事仲間とサマンサ(の機械、iPhoneみたいなの)を連れてダブルデートまでしちゃう。ほ〜そういう設定かい、と感心しちゃいました。

でもやはり所詮サマンサはOS。肉体がない。テレフォンセックスはできても本当のセックスはできない。そこでサマンサが連れてきたのがその関係に感銘を受け手伝いたいというイザベラポーシャダブルデイという女性。これねー、作品を見ていない人にどう説明すればいいのか分からないんだけど、イザベラがセオドアを訪ねてきて顔にほくろ型のカメラをつけます。これでイザベラの目線でサマンサがセオドアを見ることができ、イザベラは一切喋らずイヤホンから聞こえてくるサマンサの声と会話をしながら肉体的にはセオドアとイザベラがメイクラブっていう作戦だったんだけど、どうもセオドアが乗りきれなかったんだよなー。初対面のイザベラをいきなりサマンサのふりしてセックスしろって言われても難しいよねーそりゃ。

結局はセオドアもサマンサも肉体がなくてもありのままのサマンサを愛するということで落ち着いて幸せな時間がやってくるんだけどね。この2人の幸せなデートシーンが結構長い。ワタクシはこの2人を微笑ましく見ていたから平気だったけど、そうじゃない人にとってはめちゃくちゃ退屈な時間だったんじゃないかな。これほどSF的な設定の作品なのに、こんなに会話が多いとはとても意外でした。でもセオドアとサマンサの会話がまた可愛くて楽しくてワタクシは好きでした。

ホアキンって昔からとても好きなんですけど、本当にひとつひとつの作品によって全然雰囲気の変わる役者さんですね。今回はなんだか冴えないセオドアにぴったりはまっていたし、いつも彼が着ているオレンジのシャツもとても似合っていました。あれはあの世界の着こなしなのかな。なんとなく周りも同じような雰囲気だった。

でもそんな幸せな2人にも別れは訪れる。人工知能型OSであるサマンサが、同時に他の人たちとも会話をしていることに気付くセオドア。「いま同時に何人と話してる?」「8316人よ」「その中で恋をしているのは何人?」「641人。でも本当に愛しているのはあなただけよ」これってさ、ワタクシよく分かんなかったんだけど、クラウドみたいなシステムのマザー的なところからサマンサが個々の端末に降りてきて話しているっていう感じでいいのかなぁ?だとしたら8316人って少なくない?って思ったりして。このOSを使ってる人なら何百万人とかいう単位にならないのかな?それともサマンサの担当は8316人くらいなのかな。

それを聞いたセオドアは大いに傷ついてしまう。そりゃそうだわなー。だいたい2股かけられただけでも相当のショックなのにさ、641股だよ?もう股に関してなら天文学的数字と言っても過言ではない。

その上サマンサは、人間の想像をはるかに超えて成長してしまい、ここにはいられないと言ってセオドアの端末から消えてしまう。それはセオドアの端末だけではなくエイミーの親友OSを含めすべての人工知能型OSが消えてしまった。

へ・・・?分からん。OSちゃんたちはどこへ行ったの?セオドアはエイミーとなぐさめあっていたけど、いやいやいや君たちアップルに電話しないの?あ、アップルではないか。製造元どこか分からんけどさ。そこからの騒動を描かないところがスパイクジョーンズらしいファンタジーなんだなぁ。

ここんとこ、昔あったスピリチュアル系の本の「聖なる予言」を思い出しました。(スピリチュアルものと知らずに読んだんですが)スピリチュアル的に進化した人間たちが最後高次元に行ってしまって普通の人間には見えなくなるんです。サマンサもそこへ到達しちゃった感じ?機会が感情を持ってしまい人類と戦争をするのではなく、さらに高みへ行ってしまうというのは興味深い設定ですね。

元妻キャサリンの成長を受け入れられず離婚に至ってしまったセオドアが今度はサマンサの成長を受け入れて自らも成長していくという結末とワタクシは捉えたのだけど、それで良かったのかな。見ているときはサマンサが消えて行っちゃうのが意外過ぎてえ?え?と思っているうちに終わってしまったので、なんだかいまいちな終わり方だなぁと思ったのですが、一日経って今頃その余韻に浸ることができてやっとセオドアとエイミーがいた屋上に一緒にいることができた気がします。

オマケ1セオドアが住んでいるマンションのエレベーターが上下すると壁の模様も変わって行くようになっていて素敵でした。細かい近未来の設定にこだわっているところが良かったです。

オマケ2セオドアが代筆した手紙が素晴らしいということでサマンサが出版社にコンタクトを取り、出版されていましたが、あれってさ、手紙代筆人が書いた手紙だってことはみんな知っていて受け取っていたの?知らないで受け取っていたのだとしたら、そんなものが出版されたら代筆人に書かせたことがばれちゃって大変なことにならないのかなぁ?ちょっとその辺のシステムがよく分かりませんでした。

マレフィセント

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もうアンジェリーナジョリーがマレフィセントを演ると知った時から超楽しみにしていた作品です。さっそく見に行って来ました。

ディズニーきってのヴィラン、マレフィセントが主役になる。彼女の過去の秘密とは?物語ががらっと変えられているだろうということは分かっていましたが、それがどのように変えられているのかというのを楽しみにしていました。

子どもたちも見られるようにするためか、変に時間軸をいじったりもせず、きちんとマレフィセントの幼いころのことから順を追って本当に絵本のように物語は進んでいきます。

幸せで陽気な妖精だったマレフィセントを邪悪な魔女にしてしまったのは、実は王の座を得るために恋人だったマレフィセントの翼を奪った王ステファンシャールトコプリーのせいだった。

そのため王の娘が誕生したとき、憎しみに満ちたマレフィセントは姫が16歳の誕生日の日没までに糸車の針に刺されて永遠の眠りにつくという呪いをかける。真実の愛のキスがあれば、彼女を目覚めさせることができる。この呪いはどんな力でも解くことができない。

姫を心配した王は16歳の誕生日の翌日まで3人の妖精・ノットグラスイメルダスタウントン、シスルウッドジュノーテンプル、フリットルレスリーマンヴィルに預けることにする。

妖精に預けられたことでマレフィセントの近くで育つことになったオーロラ姫。3人の妖精は子育てには向いていなくてドジばかり。それを図らずも陰ながら見守ることになってしまうマレフィセント。家来のカラス・ディアヴァルサムライリーを使って3人の妖精たちのフォローをする。ここの子育てパートは結構笑えるシーンなどもあってほのぼのしました。マレフィセントの家来のディアヴァルも家来でありながら、唯一マレフィセントに口答えなどができる立場なので、この2人のやりとりがなかなか良かったです。ディアヴァルはマレフィセントの魔法で色んな姿に変身させられるのですが、それが全部カッコ良かった。特に馬が好きでした。オオカミはディアヴァルはイヤだったみたいですが。

最初のうちはマレフィセントも16歳の誕生日に永遠の眠りにつくオーロラ姫の不幸を見届けてやろうというくらいの気持ちで赤ちゃんを見ていたのかもしれませんが、徐々にオーロラ姫の愛くるしさに抵抗できなくなっていきます。話題になっていたのでみなさんご存知だと思いますが、3歳のオーロラ姫をアンジーとブラピの実の娘ヴィヴィアンジョリーピットちゃんが演じていてマレフィセントに抱っこをせがみなんだか微笑ましい気持ちに。

やがてオーロラ姫エルファニングは優しく美しい少女に成長し、マレフィセントをゴッドマザーと慕い一緒に時を過ごすことが多くなっていきます。3人の妖精に育てられたとは言え、オーロラ姫は妖精たちよりもマレフィセントを頼りにしている様子。

徐々にオーロラ姫に心を奪われていくマレフィセントの姿がとても切なかったです。王の仕打ちに怒りに震えてしたこととは言え、いまは愛しい娘同然のオーロラ姫に呪いをかけてしまった自分。それを知らずに慕ってくるオーロラ姫。一度はその呪いを解こうと試みるマレフィセントでしたが、どんな力でもこの呪いを解くことはできない、という自らかけた呪いのパワーに跳ね返されてしまいます。そして姫がその呪いの秘密を知るときが来てしまいました。

16歳の誕生日、やはり呪い通りに糸車の針に刺されて眠りについてしまう姫。その前に姫と出会っていたフィリップ王子ブレントンスウェイツを連れて城へ向かうマレフィセントとディアヴァル。マレフィセントが姫を助けるためにキスをする王子を連れて城に駆けて行くなんて、驚きのストーリーラインですねー。

城では狂気の王がいて、マレフィセントを殺そうと待ち構えていることを知りながらもマレフィセントは危険を犯してでもオーロラ姫を助けるために城に入っていくのです。

いやー、とにかく戦うときのマレフィセントがカッコ良過ぎなんですよー。これまでも「トゥームレイダー」「Mr.&Mrs.スミス」「ソルト」でカッコいいアクションを見せてくれたアンジーですが、なんせマレフィセントには翼が生えてるんでね、これがもうハンパなくカッコいい。いままでのアンジーアクションに翼を与えてしまったわけですから、そりゃ今までで一番カッコよくなるわな。そして、この作品のアンジーはアクションだけではなくて、愛する人に裏切られた悲しみや憂いを湛えた瞳やオーロラ姫を愛情深いまなざしで見つめたりする切ない演技が光っていました。

そして、演技と言えばやはりエルファニングちゃんはめっちゃくちゃうまかったなぁ。幼いころからショービジネスの世界にいるというのに、イノセントなオーロラ姫を嫌味なく演じることができるピュアな輝きを持っています。

話が前後しちゃいましたが、王子様のキスはどうなったかと申しますと、これはまたまた「アナと雪の女王」に続いて、21世紀の生まれ変わったディズニーの「真実の愛」になっていました。「アナと雪の女王」のパクリ?と思われかねない展開でしたけど、まぁこれはある程度予想がついたことだし、別にアイデアをパクったわけではないと思うので、、、若干ありきたりではありましたが、それでもやっぱり感動しちゃったなぁ。

どうせならラナデルレイが歌った主題歌もアンジーが歌ってくれたら良かったのになぁと思いました。アンジー歌はダメなのかな。

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