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Channel: シネマ日記
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デイブレイカー

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ケーブルテレビで見ました。以前から面白い作品だと聞いていたので興味がありました。

コウモリの持つ病原菌が人間に移り、多くの人間がバンパイア化した世界。

バンパイア→不老不死だが、人間の血を飲まないと理性を失ったり集中力をなくしたりする。太陽の光に当たると燃えつきて死ぬ。世界のマジョリティであり、地下街が発展したり、車は昼間太陽の光を遮断するような構造になっていたりとバンパイア仕様となっている。

人間→数が激減。バンパイアに見つかると食糧として捕まってしまうので隠れて生きている。

サブサイダー→人間の血が不足し、バンパイア同士で血を吸うとサブサイダーと呼ばれる化け物に変身してしまう。バンパイア軍は彼らを捕まえて処刑しているが、このところの食糧不足から数が増えている。彼らの容姿はかなり気持ち悪いです。

エドワードイーサンホークは人間の血不足を解決しようと日々人工血液を開発する研究をしている科学者。彼はバンパイアになりたくなかったが、弟フランキーマイケルドーマンに噛まれてバンパイアになった。弟は軍に所属しバンパイアであることを満喫しているが、エドワードのほうは自身がバンパイアであることを嫌い人間の血を飲むことを拒否していた。イーサンホークってチンピラもインテリもできる役者さんですが、こういう憂いある役がとても似合うと思います。

エドワードが働く研究所は人工血液の研究が完成するまで、人間の血を供給すべく人間を飼っていた。所長のチャールズブロムリーサムニールは人間だったとき癌で死ぬところだったが、バンパイアになったことで不老不死になれたことから、この“バンパイア病”に感謝していた。彼は人間の血で儲けることに罪悪感など感じていなかったが、彼の娘アリソンイザベルルーカスはそんな父親を嫌い人間のままどこかで生活していた。

ある日エドワードは逃亡中の人間と出会い、軍の追っ手をごまかして逃がしてやる。そこには元バンパイアだったが人間に戻ったというライオネルコーマックウィレムデフォーがおり、バンパイアたちを人間に戻す研究を手伝ってほしいとエドワードは持ちかけられる。

ライオネルは事故で車から投げ出され太陽の光に当たってしまい燃えた次の瞬間に池の中に落ちたことでバンパイアから人間に戻ったという。この偶然の状況を故意に作り出すことによってバンパイアを人間に戻せると考えたライオネルの仲間たちは科学者であるエドワードの力を借りようとしたのだった。そんな彼らにバンパイア軍の追っ手が迫る。

色々な設定が面白い作品です。マイケル&ピータースピエリッグ監督が作り出した新たなバンパイア像やその社会がきちんと矛盾なく描かれているところがとてもよくできていると思いました。太陽の光を浴びて、それを一瞬で消せば人間に戻るっていうのは、正直なんで?と思うけど、まぁそれも設定のひとつなのでヨシとしましょう。

エドワードが苦悩するバンパイアであり、それとは対照的な弟、ボスが描かれていますが、弟は兄を噛んだとき、兄にも一緒に不老不死になってほしかったからという兄への愛が見られます。ボスは娘を発見し、やはりバンパイアにしてしまいますが、娘は自分の信念に基づいてバンパイアであることを拒否し、わざと自分の血を飲んでサブサイダーに変わってしまい処刑される道を選びます。この辺りの人間模様がきちんと描かれていてスリラー要素だけではないところも好感が持てました。

映像的にはかなりスプラッタで、結構エグいので苦手な人は苦手かもしれません。特にサブサイダーが太陽に当てられて処刑されるシーンはエグいのですが、何人ものサブサイダーが車に鎖で繋がれて車が動き、建物の影から日向に出て燃え、あとに残された手錠と足枷だけが車に引きずられていくというのが、なんか妙にカッコいいと言うか美しささえ感じてしまいました。

もう一つの設定として、元バンパイアの人間の血を吸ったバンパイアも人間に戻るというのが最後のほうで分かるところもなかなか面白かったです。最後はかなり血みどろの戦いになって、イーサンホークとウィレムデフォーが出ていなければもっとB級くさくなったところですが、彼らのおかげで作品のクラスが保たれていたと思います。


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