お母さん同士がマタニティクラスで知り合い、1週間以内の差で生まれた4人の女の子たち。それぞれキャラクターはバラバラだけど、小さい時から4人は楽しいときも悲しいときもいつも一緒だった。16歳の夏、4人は初めて離ればなれでそれぞれの夏休みを過ごすことになる。その前日4人で買い物に行ったとき、古着屋で不思議なジーンズを見つける。体型がばらばらの4人全員になぜかぴったり合う魔法のジーンズだった。
4人はこの夏休み中、順番にジーンズを履いて過ごそうと決めた。1週間ずつジーンズを履き次の人に送る。ジーンズと一緒にその期間に何があったか詳しく書いて次の人に送るというルールだった。
初めは内気で真面目だけど容姿の美しいリーナアレクシスブレーデル。ギリシャに住む祖父母のところへ旅行に行く。海で溺れかけているところを助けてくれた青年と知り合い、惹かれ合うが祖父同士が天敵と知り怖気づく。
次にジーンズが回ってきたのは個性的で皮肉屋のティビーアンバータンブリン。彼女は一人地元に残りバイトをしながら負け犬たちのドキュメンタリーを撮っていた。ジーンズが間違って届いた先の少女ベイリージェナボイドが届けてくれて、成行き上ドキュメンタリー撮影の助手にすることになる。12歳のベイリーにつきまとわれてうっとおしいディビーはベイリーをジーンズと一緒に送りたいくらいだと言うのだが、ベイリーが病気だと分かり…
3番目はしっかり者のカルメンアメリカフェラーラ。小さいときにママと離婚したパパとひと夏を過ごせるととても楽しみにしていたのに、パパは新しい家族と一緒に住んでいて、もうすぐ再婚すると言う。新しい家族と仲良くするように言われるカルメンだったが、納得が行かず家の窓に石を投げて帰って来てしまった。
最後は、一見自由奔放だが母親の自殺で心に傷を負っているブリジットブレイクライブリー。サッカーの合宿でメキシコに行った彼女は、サッカーよりも禁止されているコーチとの恋愛に必死。
4人の女の子のひと夏の様子が、送られるジーンズとともに数珠つなぎ形式で語られるのかと思っていたら、4人の状況がモザイク的に入り混じって語られるので、場面転換があっちこっちと忙しい。一人一人の持ち時間がもう少し長めで回ってくれるといいんだけど、結構短めでハイ、次!ハイ、次!って感じです。その展開の忙しさにさえ目をつぶれば16歳の女の子たちのひと夏の成長物語として、とても爽やかに見られる素敵なお話です。
内気なリーナは殻を破って勇気を出すことを覚え、皮肉屋のティビーは素直に人生を謳歌することの大切さを知り、自分を抑え気味のカルメンは自分の気持ちをきちんと相手に伝えることを学び、奔放に振る舞い傷を隠しているブリジットは素直に悲しんでいいんだということを教えられる。
この魔法のジーンズっていうのが、どれくらい彼女たちに影響を与えるのかを楽しみに見たんですが、ぶっちゃけジーンズかんけーねーじゃん!!!って感じです。別にジーンズ関係なくても普通に彼女たちの青春物語を楽しむことはできるので、いいんですけどね。ま、ちょっと拍子抜けしたことは事実です。
それぞれの女の子たちを演じる女優さんがみな魅力的で良かったです。続編の「19歳の旅立ち」も見てみたいと思います。
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旅するジーンズと16歳の夏
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