私生活のゴタゴタのせいかどうかは知らないが主演作から遠のいていたメルギブソンが2010年に久しぶりに主演を果たした作品。
ボストン警察の刑事トーマスクレイブン(メル)の元に娘エマボヤナノヴァコヴィッチが帰省してくる。エマはとある研究所に研修生として勤めている。喜びの再会を果たす2人だったが、どうもエマは体調が悪そうだ。夕食を作っているときにエマの体調が悪化し病院に連れて行ってくれと言う。「お父さんに話さなければいけないことがあるの」とも。2人で病院へ行こうと玄関を出た瞬間、「クレイブン!」と叫ぶ声と同時にショットガンの銃声が。エマはお腹を撃たれ父の腕の中で死亡してしまう。
刑事である父親を狙った犯行であろうという推測の下捜査が開始するが、トーマスは自分を狙うほどの犯罪者などいないと考え娘を狙った犯行だとして独自に捜査を始める。
エマのボーイフレンドのバーナムショーンロバーツや友人メリッサカテリーナスコーソンの証言、トーマスに近づいてきた謎の男ジェドバーグレイウィンストンの話からエマが勤めていた研究所に何か手かがりが潜んでいることを知るトーマス。所長のジャックベネットダニーヒューストンにも話を聞くが、それはエマが暴こうとした巨大な陰謀の入り口だった。
まー、メルも歳取ったね。ワタクシが映画ファンになったころちょうど乗りに乗った若手〜中堅あたりの存在で、結構長い間ワタクシにとってはアイドル的な存在の人だったんだよなー、と懐かしく思い出しました。顔はシワシワになったけど、やっぱカッコ良かったよ。なんかくたびれ感を出したかったのか歩き方とかちょっとロボットみたいだったけどね。いまの年齢からまた渋さを増していい演技ができるようになっていく役者さんって多いのでメルにも頑張ってほしいところです。
例によって邦題がヒドイんだけど、最後の最後でバンバンバンバーンってみんな殺しまくっちゃったときには「あー、この邦題でも合わんことはないな」と思いました。それまでは陰謀を暴く結構ハードボイルドな展開で邦題なわりには静かに話が進んでいく印象だったんだけど。この邦題で内容をイメージして見た人にとってはアクションが物足りないと感じたかもしれません。
被爆していたエマとの接触で自身も被爆したトーマスは死期が近く、謎の男ジェドバーグも病気で同じく死期が近い。その2人の捨て身の復讐がいいね。あーいう陰謀だと相手が逮捕されるとか望み薄だし、もうこの展開では殺しちゃうしかないやね。
しわがれたメルギブソンが死んでしまった娘の幼いころを思い出すシーンが随所に挿入されるんですが、そのエピソードのひとつひとつがとても可愛らしくて良かったです。小さい女の子がお父さんの髭剃りの真似をするシーンなんてかなりな名シーンだと思いました。
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復讐捜査線
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