ドイツ映画、「マーサの幸せレシピ」のハリウッド版。「マーサの幸せレシピ」が良かったので、ハリウッドではどう調理されているのかと期待半分、がっかりさせられたくないなぁという気持ち半分で見ました。アメリカでは多分「マーサの幸せレシピ」のほうなんてほとんどだぁれも見ちゃいないだろうから、新鮮な気持ちで見た人も多かったのではないでしょうか。日本ではワタクシ含めちょっとした映画ファンなら知っている作品だと思います。
さて、こちらのハリウッド版、やはりドイツ版より全体的にとっつきやすいくて明るい感じです。さすがハリウッド。
物語の芯は完全に同じです。一流レストランに務める一流シェフケイトキャサリンゼタジョーンズ。彼女の仕事は申し分ないが、人間関係がちょっと苦手。そのせいでレストランのオーナーパトリシアクラークソンから精神科のカウンセラーのところに通うよう命令されている。ケイトの料理に賭ける想いが頑固で自信に満ち溢れすぎて、料理に文句をつけるお客さんをやり込めて追い出してしまったりするのだ。これはもちろんレストランのオーナーからしたら困ったシェフって感じなんだけど、見ているこっちとしてはスッキリしてしまったりもした。
そんな彼女の姉が彼女に会いに来る途中で事故に遭い亡くなってしまう。そこで彼女は姪のゾーイアビゲイルブレスリンを引き取ることに。
同じころ、厨房では一人が産休を取ることになり、イタリアで修業した陽気なコック、ニックアーロンエッカートが雇われる。何かとルールを作って仕事や生活をしているケイトとは正反対のニック。明るく陽気ですぐに厨房のみんなを虜にしてしまう。当然ケイトは面白くない。
しかし、母親を亡くしたショックで食事をとらなくなってしまったゾーイを厨房に連れて行ったとき、子供の心理をうまく利用してパスタを食べさせたのはニックだった。
ゾーイを通して徐々に距離を縮めるケイトとニック。ケイトはいままで頑なに守ってきたルールを破り、ゾーイとの関係も次第に良くなっていくのだが…
終盤にこういうラブコメお約束のちょっとした小競り合いがあって、最後にすべて丸く収まって大団円となります。オリジナルのドイツ版にあったゾーイの父親がどうのこうのっていうちょっとまどろっこしい部分はすべて省かれて、こちらのほうがケイトとニックの恋愛ものに重点が置かれている感じになっています。
キャサリンゼタジョーンズも美しくて凛とした感じがケイトに合っていたと思うし、姪っ子役のアビゲイルちゃんはやっぱすごく可愛らしかった。いま15歳ということでそろそろ青年期に入る女優としては難しいお年頃ですね。ダコタちゃんのように上手に変遷期を越えてくれるといいのですが。
ラストのケイトとニックとゾーイのレストランっていうのもハリウッド的な終わり方でワタクシはとても好きでした。オリジナルの良さを崩さずに上手にハリウッド風にアレンジできた作品だと思います。
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幸せのレシピ
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