2011年に27歳で亡くなった歌手エイミーワインハウスの生涯を描くドキュメンタリー。
小さいころから歌が好きでジャズシンガーになったエイミーは、離婚家庭で母親に育てられ、たまにしか会わない父親の愛情に飢え、過食症になり、酒に溺れ、クズみたいな男に出会い、ドラッグに溺れ、27歳の若さで死んでしまった。
こうして並べて書いてみると、なんと典型的な事柄に溢れていることか。波乱万丈の人生と言われているけど、若くして世界的な人気に押し潰されたスターたち、まさに27クラブの典型のようだ。
彼女はただ歌いたかっただけだった。それもジャズを。劇中でも言われるが、ジャズは大きな会場で歌うのに向いていない。小さな舞台でやるセッションが本来なのだろう。しかし、「Rehab」の世界的ヒットは彼女にそれを許さなかった。
常々思っていることなのだけど、ただ歌いたい、ただ演じたいという人たちがどうしてそれをしたいなら私生活の暴露と引き換えだよ。という悪魔の交換条件を出されなくてはいけないのだろう。日本の芸能界も同じだが、欧米のパパラッチはそれ以上にスターのプライバシーの侵害がひどい。あそこまでされたら暴言を吐きたくもなるし、暴れたくもなるだろうと思う。
たらればを言ってもしょうがないけど、昔からの親友や元マネージャーが最初に彼女をアルコールのリハビリ施設に入れようとしたとき、現マネージャーとあの父親が止めなければ。もしかしたら何かが変わっていたかもしれない。彼女を金ズルとしか見なかった人たちのせいで彼女はどんどん追い詰められていった。
そして、もうひとつのたらればは、やはりブレイクフィールダーというダメ男を好きにならなければ。ですね。こいつがエイミーにドラッグを教え、2人でハイになっていたみたいですね。
まぁでもそれもこれも全部彼女の選んだ道、なんですけどね。もう少し周りに彼女をサポートしてやってブレインになってやれる人がいたら何かが違っていたのかな、という気はしました。
この作品で散々悪者にされたお父さんはこの映画は嘘っぱちだーと言っているらしいのですが、本当のとこはどうなんでしょうねぇ。
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AMY エイミー
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