完全にエマワトソン目当てで見に行った作品です。「ハリーポッター」以外で彼女を見たのは「マリリン〜7日間の恋」だけだったし、小さな役だったので、この作品はずっとずっと前から楽しみにしていました。もちろん、ハーマイオニーのイメージが極端に崩れたり、エマの演技が超下手だったらどうしようとかそういう不安もありました。結果、その不安は一切不要なものでした。ハーマイオニーのイメージっていうのはこれからどんどん崩れていってくれていいんですけどね。いきなり汚れ役とかだったらやっぱりキツイし…って思っていたのだけど、このサムっていう女の子はとても良い子で安心しました。
物語は、高校入学を迎えたチャーリーローガンラーマンを中心にスタートする。彼は心の病でしばらく入院していて、学校でもいわゆる「壁の花」一人も友達がいない彼にとっては高校入学は憂鬱以外の何物でもなかった。最上級生にお姉ちゃんはいるが当然彼氏や同級生と仲良くして自分の相手はしてくれない。そんな時、学校のフットボールの試合で上級生のパトリックエズラミラーと彼の義理の妹でパトリックと同級生のサム(エマ)の2人と知り合いになる。
パトリックとエマの義理の兄妹は、学校では「はみだし者」の部類だったが、似たもの同士が集まってパーティやら課外活動を楽しんでいた。そんな2人と友達になってからのチャーリーの生活は一変する。仲間を見つけたチャーリーは楽しい高校生活を送ることができるようになるが、そんな中でもみなそれぞれに悩みを抱えていた。
パトリックはエキセントリックで誰に何と言われようと気にしないというタイプの子だけど、実はフットボール部の花形の男子生徒ブラッドジョニーシモンズと付き合っていて、付き合いをオープンにしようとしない相手に傷ついていた。サムはろくでもない実の父親の友人にいたずらされた過去があり、男性と健全な関係を築けずにいた。そして、チャーリーもまた以前の病気が復活したらどうしようという不安を抱えていた。
高校生たちが悩みを抱え、傷つきながらもお互いを支え合い友情を育み成長していくという、ザ・青春映画。そう聞けばワタクシから上の世代の人たちは「セントエルモスファイアー」「ブレックファストクラブ」などブラッドパック全盛期の作品を思い出すんではないでしょうか。実はこの作品はその年代のほんの少しあとの1991年が舞台なので、大人になったワタクシたちでも共感できるところがたくさんあります。
音楽も当然それ以前の曲ばかり使われているので、懐かしい気持ちに浸れる人も多いと思うし、チャーリーたちが交換し合うのも自分で編集したカセットテープ。懐かしい〜!テープの残量と曲の時間を計算してA面B面に入れるんだよねー。インデックスも自分で書いて失恋した友達とかにあげるんだよー。いやー、青春だねー。ラジオで流れる素敵な古い曲も今みたいに簡単には調べられなくて、友達のために調べてあげたりとかもいいよね。そこで流れるのがデヴィッドボウイの「Heroes」で。これがまたカッコいいんだわ。
本当に何気ない日々が描かれるんだけど、主演の3人が素晴らしいんです。彼らの瑞々しい演技がこの作品に説得力を与えていると思います。この3人を揃えることができたというのがこの作品の成功の大きなキーとなったと言えますね。あとは原作を書いたスティーブンチョヴォスキー本人が脚本も監督もしているということで、かなり納得のいく作品作りができたんだろうと思います。彼の人物の描き方ってとても素敵だと思いました。人物だけではなく、トンネルのシーンやホームカミングでのダンスシーンとかワクワクするようなシーンもいっぱいあって、青春の切なさと相まって、ベタですが本当に胸キュンものです。
最後にチャーリーが抱える心の傷について語られるんですが、それがほのめかしてある程度なので何のことか分からなかったとネットのレビューに書いている方もちらほらとおられます。分からなかった方はもやもやしているかなーと思うのですが、あの描き方だったということは分からなければそれでも良しということでしょうか。
最近、こういうタイプのストレートにキラキラした青春映画を見ることがなかったので、久しぶりになんだかドキドキして自分も若返ったような気になりました。自分たちの世代が見る映画じゃないからと敬遠せずに大人の方もぜひ見ていただきたいなぁと思える作品です。
オマケ1鳴る曲、鳴る曲、ついついオリジナル歌手の名前が浮かぶ前に「あ、グリー!」と思ってしまうグリークなワタクシです。
オマケ2劇中劇でエマワトソン、エズラミラー、ローガンラーマンの「ロッキーホラーピクチャーショー」が見られるっていうのはめちゃくちゃ貴重ですね。特にエズラミラーのフルター博士は必見!
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ウォールフラワー
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