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Channel: シネマ日記
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ホビット〜思いがけない冒険

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今年一年ずっと楽しみにしていた作品です。「ロードオブザリング」3部作のファンとして、待ちに待った公開です。

もうねー、最初の10分間だけで泣きそうになってしまうわけですよー。なんつったって、懐かしのホビット庄にビルボイアンホルムとフロドイライジャウッドが登場するんですもん。フロドはおまけ的にここにちょこっと登場するだけと分かってはいても、なんかもうワクワクが止まらない。

例のフロドの冒険の60年前、まだ若かったビルボマーティンフリーマンのところに灰色の魔法使いガンダルフイアンマッケランが訪ねてくる。そして、ドワーフたちが昔スマウグというドラゴンに乗っ取られた国を取り戻すための旅に同行してほしいと頼まれる。冒険なんて物騒なことはお断りというビルボだったが、ガンダルフが去った夜、ドワーフたちが次々と訪ねてくる。

13人のドワーフが次々に訪ねてくるこのシークエンスが最高に楽しい。思えば「ロードオブザリング」の暗い暗い旅も最初のホビット庄のシーンは楽しかったんだよなぁとまたここで懐かしい気分に浸ってしまった。この3部作、こんなふうにして前回の3部作とシンクロしていくんだろうなぁと思うとすでにこの辺りで次の作品が待ち遠しいとさえ感じてしまう。

さて、ここで次々と現れるドワーフたちなんですが、ドワーフと言えば、前回のギムリのイメージがありますが、今回の13人の中ではドワーフの王トーリンオーケンシールドリチャードアーミテッジと、キーリエイダンターナー、フィーリディーンオゴーマンの3人はドワーフとは思えない男前っぷり。あとの10人はまぁドワーフらしい外見なんですがね。今回はむさ苦しい(失礼!)ドワーフたちばかりだからちょっとは男前も入れとかなアカンやろうという配慮でしょうか(笑)?

旅の途中でこの世界ではお馴染みのトロル、ゴブリン、ワーグに襲われたりしながら幾度もピンチを乗り越えて、最初は厄介者扱いされていたビルボが少しずつドワーフの仲間の一人になっていく過程が良いですね。トロルに囚われるシーンでは、まぁ相手がトロいトロルということもあって結構笑えました。トロルの一人がビルボが自分の鼻から出てきた変な生き物と勘違いするシーンが一番ウケました。ゴブリンの大群から逃げるシーンではドキドキしながらもローラーコースターのような楽しさがありましたが、ワーグが相手となるとそうそうワクワクもしていられないくらいちょっと怖いですね。

ゴブリンに捕らえられる前に一行はエルフの助言を求めて裂け谷に行きます。と言っても過去の確執(スマウグがドワーフの国を襲ったときエルフが助けてくれなかったこと)のせいで、トーリンはエルフに助言を求めることを拒否していたので、ガンダルフが無理やり連れてきたのですが。裂け谷でエルロンドヒューゴウィーヴィングからトーリンの持つ地図に書いてある言葉の意味を教えてもらいます。しかし、エルフたちは中つ国の平和を乱すようなドワーフたちの旅には反対で、ガラドリエル様ケイトブランシェットと白の魔法使いサルマンクリストファーリーとガンダルフでそのことを話しあうのですが、その間にドワーフたちはこっそり裂け谷を出発してしまいます。そのことに気付きながらも見逃すガラドリエル様。エルフは少し何を考えているのか分からない種族ですが、やはりガラドリエル様はガンダルフの味方でいてくれるようです。

裂け谷を出発した一行は次にゴブリンに捕らえられるのですが、このときビルボはドワーフたちとはぐれてしまい、穴の中に落ちてしまう。落下した先でゴラムアンディサーキスと遭遇し、ゴラムが落とした指輪を拾ってしまいます。そう、指輪。あの指輪です。ビルボはここで偶然にゴラムから指輪を奪うことになったんですね。この穴の底からの出口を教えてくれとゴラムに要求したビルボはなぞなぞ合戦に勝ったら教えてやるというゴラムとの賭けに乗るのですが、ここでのゴラムがちょっとユーモラスです。ゴラムってめっちゃくちゃ気持ち悪い生き物なんですけど、「ロードオブザリング」でのゴラムを知っていると、なんかとても憐れな生き物なんですよねー。指輪の魔力に毒されてしまって、本来の“彼”ではなくなってしまっているし。「ロードオブザリング」の公開からまた技術が進歩したおかげもあってか、ゴラムの表情がすごく豊かになっている気がしました。

指輪を取ったことがゴラムにバレて追いかけられるビルボですが、偶然に指輪が指にはまって姿が透明になり、ゴラムから逃げることができます。この指輪が宙に投げ出されて、指にはまるシーンも「ロードオブザリング」のフロドのシーンとシンクロしていますね。

ゴラムから逃げてドワーフたちとも無事再会できたビルボですが、彼ら一行をドワーフの王族に恨みを持つアゾグというオークの親玉に襲われます。このアゾグの造形は途中まで監督予定だったギレルモデルトロのデザインでしょうか?彼の世界観に登場する異形の物にとてもよく似ていました。ここのピンチを救うのがガンダルフが読んだ大鷲軍団なんですけど、「もう!もっと早よ呼べよ!」っつーのは思ってても言っちゃダメー!!!それは「ロードオブザリング」でも何回もありましたけれどもですねー、それだけは言っちゃダメです。ガンダルフの魔法の使い時はガンダルフにしか分かんないの。ガンダルフがいまと思ったときしか使えないの。

そう言えば、旅の途中でエルフたちが作った剣がいくつか発見されて、オークやゴブリンがいたら青く光るという剣をビルボはもらいます。そう、これも、あれですよ、あれ。いまの時点ではまだ偉業をなしえていないので、この剣には名前がないんですけど、きっとどこかで例の名前をもらえるんでしょうね。それも楽しみに待っていましょう。

原作の長さを考えると、こちらも3部作というのは濃さが全然違ってくるのでは?と思いますが、どうなんでしょうねぇ。この1作目の最後は遠くに目指す山の頂を見て終わりますが、この先はどんな冒険が待っているのかなぁ。楽しみ。願わくば「ロードオブザリング」ほど暗い冒険じゃなければいいのですが。


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